古城ホテル

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270003190
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ニューヨークの刑務所。そこで囚人レイは、無為の世界から脱出するために、「古城ホテルの物語」を書き続けていた。物語の舞台は、国境も曖昧な東欧の古城。崩壊寸前の城を一風変わったホテルへ改築するため、主人公はその地を訪れる。しかし外界から隔たれた城は、不気味な牢獄そのもの。秘密の地下道、塔に住む老男爵夫人、双子が溺れ死んだという伝説の残るプール…。次々と奇怪な事件が起こり、恐怖に駆られた主人公は、脱出を試みることに。そして、レイの小説が完成に近づくにつれ、レイと、ほかの囚人たちにも、驚くべき変化が表われはじめ…。

著者等紹介

イーガン,ジェニファー[イーガン,ジェニファー][Egan,Jennifer]
1962年、シカゴ生まれ。ペンシルヴェニア大学卒業後、ケンブリッジ大学のセントジョンズカレッジで学ぶ。その後ニューヨークに移り住み、26歳のときに初めての短篇をニューヨーカー誌に発表。1995年の処女作『インヴィジブル・サーカス』(アーティストハウス刊)がベストセラーとなる

子安亜弥[コヤスアヤ]
南山大学外国語学部英米学科卒。アメリカ新人翻訳家コンテスト最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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白のヒメ

39
刑務所の更生プログラムで創作をする囚人の書いた小説は、古く崩壊寸前の城をホテルにする手助けを従兄妹から頼まれる男が主人公だった。その古い城に住み着き立ち退かない年老いた男爵夫人、腐ったプールでは双子が死んだという。城の下を蜘蛛の巣のように這う地下道。主人公の書く物語が進むにつれ、刑務所の囚人達の様子が何故か変わっていく。・・・なかなかトリッキーで最後にこうきたかーと驚きが襲う。やるなーと、思わずにやりとしてしまった。物語中に漂う閉塞感に胸が詰まるも、読後はすっきりと納得がいくエンディングなのも良い。2018/02/19

Sakie

18
奇妙にねじれた物語。ヨーロッパの古城の雰囲気が場を支配する。過去の記憶と現在、アメリカの若き成功者と古城に住む80世代も続いた貴族の末裔、虚構と現実の決着地点が見えないままに物語は進む。タタール人せん滅のエピソードを聞かされた後だけに、修羅場の予感に身構えるも、あっさり脱出してしまうのね。そうか、肝はそこじゃない。てか、彼はこの場にいたということよね。ダニーはほんとうは何者だったのか。ミックはあの瞬間何を感じ考えていたのか。彼はこの事件をどう思っていたのか。歪んだガラスの向こうの種明かしに嘆息した。2020/09/30

紅はこべ

12
囚人のレイが刑務所の創作クラスで書いている小説が現実世界に影響を及ぼして行く。そして二つの世界が繋がって…。入れ子構造のミステリ。こういうの、設定だけで萌えちゃう。テーマは死と再生かな。2009/09/03

たみ

11
ホテルに改築中の古城に招待された主人公:ダニーの物語と、そのダニーの物語を刑務所で執筆している現実の「俺」の話が交互に進んでいく形式。作中作のはずのダニーの物語は途中から現実に溶け合って、ダニー=俺の図が崩壊し主人公が入れ替わる。ダニーが使っていた奇妙な造語「オルトー」や、異様に固執していた人との繋がり(通信機器)、誰かの右腕という位置に執着していたのもダニーではなくなってしまう。謎が解けていく箇所は少し気持ちいい。経営者のハワードが、事件が起きた後も何事もなかったかのようにホテルを開いているのが不気味。2015/07/26

Meg Mog

7
ホラーとかミステリーを期待して読んだらなんだコラ🙄入れ子構造って言っていいのか…どんどん予想とは違う展開にワクワクするよりゲンナリ。こういうの読みたかったわけではないんだよなー😫発想は良いけど自分の心理状態により退屈に感じた。トム・トムの話が気になる。2021/05/25

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