内容説明
夕食配達サービスのうさぎ屋の料理はとてもおいしいのです。キャベツ畑のとなりにすむ若い奥さんは、そのおいしさのひみつをぬすもうと…。表題作ほか、「春の窓」「星のおはじき」「サフランの物語」を収める珠玉短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみ
25
児童小説。一話目の奥様。夫が会社に行った後、掃除も片付けもめんどくさい、本を読んだり、手芸をしたりしています。そして、毎日、夕方にああ、晩御飯作らなきゃ、と思うのです。この奥様、私かと思ったよ。アクセサリー一つで毎夕食事を配達するうさぎの営業にのったのは奥様。なのに、アクセサリーを巻き上げられてる!って思い、うさぎから指輪を取り返そうとする。ええええっ、逆切れ?結末は思ってたようなブラックではなかったけど、なかなかシュールな短編集。2016/06/27
takaC
23
驚いたよ、その終わり方は、「うさぎ屋のひみつ」2012/11/10
とよぽん
15
松田青子さんの本に紹介されていたので、安房直子さんの作品を初めて読んだ。4編それぞれにドキドキするところや不思議な雰囲気があり、これを読んだ子供は心のひだというか、情緒が豊かになると思った。30年程前に書かれたものだが、今の小中学生が読んでも心に響く物語だ。2016/06/26
あんみつ
11
《ネタバレ》「星のおはじき」が最も心に残った。辛い環境なのに一生懸命明るく生きようとしている「わたし」。あやちゃんのひどい言葉に「心の中がすうっと青く」なり「指先が凍ってゆく」…。「わたし」がしたことはいけないことかもしれない。だけど正直に謝ってすっきり仲良しなんて結末は彼女にはない。常に正しくあれ。子供はそう厳しく教えられるけど、こういう結末もあっていいんだよね。逃げてもいいんだよ、もう十分頑張ってる、苦しみを手放しなさい。なんて救いのある結末なんだろう。2013/10/06
キキベル
8
クレアの少年少女文学特集から。 「春の窓」はほっこりファンタジー、「星のおはじき」はじんわり、「サフランの物語」は冒険、って感じで、それぞれ特色の違う短編集でした。 表題作の「うさぎ屋のひみつ」は、奥さんはズルしてるのに、そんな解決方法ないんじゃないか、と思いました。 うさぎさんは、商売として正当だよなぁ。2016/02/01