出版社内容情報
中2の鈴は、夏休みに田舎に帰省したが、ひょんなことから池に落ち、溺れてしまう。目覚めた場所は、この世とあの世の「あわいの世界」。そこには、死者の魂を送る死神・左衛門と八重という名の少女がいた。鈴は、左衛門のもとで送り神の修行をして、死を通じて生きることを見つめ直す7日間を過ごす。
内容説明
走って、走って、走り続けた。なにもかも、辛いことが追いつけないスピードでふり切りたかったから。そして池に落ち、気づいたら、「あわいの世界」にいた―。第１８回ジュニア冒険小説大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
75
児童書。中2のGW明けから不登校の鈴は、母親の病気療養のために夏休みを神社の神主をしている祖父のもとで過ごすことにした。課題で故郷の歴史を調べようと、古い蔵を探っていたら古文書「左衛門死神修行覚書」を見つける。母親の病が絶望的で命が短いと隠れ聞いた鈴は鎮守の森に迷い込み、池に落ちて死んでしまった。死後7日間は「あわいの世界」に留まることになり、そこで鈴は左衛門から「死神」になる修行をしないかと誘われる▽中学2年生設定だけど鈴が幼く感じる。いじめは現代の人柱。生き死にテーマの本は難しいね。2023年5月刊2023/09/30
エル
7
死ぬとは、大切な人と別れることとはを子ども向けに優しく教えてくれる本。だからこそ、今を大切に生きようと思えた。2023/06/09
ねこ
5
エンタメの要素をたっぷり盛り込みながら、生きること・死ぬこととは、こういうことではないかと提示してくれる。その提示が、とてもやさしい。2024/02/03
くま美
3
Y本。中学生だと少し幼いかな…。あとがきの、「大切な人とのお別れ」目の前にはいなくなってしまったけど、自分の中に息づいている事を伝えたかったと。読みやすいので、読書初心者向け。2023/10/09
芦屋和音
3
中2の鈴は母の田舎で池に溺れて「あわいの世界」にやってくる。亡くなった人の魂を迷わないように送る、送り神の仕事を通して大切な人に受け継がれる魂を知る。自分のために誰かを犠牲にして平気でいることに葛藤する鈴。大切な人との別れとは？を優しく問うお話。異界を令和風に描いているところにも親しみやすさがあった。第18回ジュニア冒険小説大賞受賞作。2023/06/14
