出版社内容情報
トリシャは絵を描くことが大好き。おしゃべりもできるのに、学校へ行くようになっても文字も数字も読めません。くねくねした形に見えるだけ。5年生になったとき、新しい先生がやってきたことで…。LD(学習障害)児の心のさけびと感動の出会いを描く絵本。 小学生低学年から
内容説明
本をよむことを、とってもたのしみにしていたトリシャ。でも、トリシャにとって、字もすうじも、くねくねしたかたちにしかみえません。クラスのともだちが、よめないことをわらうので、トリシャのくるしみはますばかり。5ねんせいになったとき、あたらしいせんせいがきました。せんせいは、トリシャの絵がすばらしいのにきづきました。そして、トリシャのひみつ―字がよめないことをしったとき、せんせいは、とくべつなれんしゅうをはじめたのです…。作者の自伝的なおはなしです。
著者等紹介
ポラッコ,パトリシア[ポラッコ,パトリシア][Polacco,Patricia]
あたたかくて、しかも、するどく問題を提起したストーリーを描く作者であり、イラストレーターである
香咲弥須子[カサキヤスコ]
大学卒業後、雑誌編集者、エッセイストとして活動。雑誌社退社後、作家デビュー。青春時代の心の揺れや、女性の心を深く掘り下げる小説のほか、翻訳書も数多く手がけている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
64
頭は決して悪くないのに、文字が認識できない故に文章がうまく読めない。そんなLD(学習障害)を抱えた少女が、理解のある教師と出会い、放課後の特訓を始めて本が読めるようになる物語。この本の著者パトリシア・ポラッコさんが自身の子供時代を描いた絵本です。読み進めていくうちに自然と目頭が熱くなりました。人はひとりひとりみんな違う。個性を認めて個性にあった教育や育て方をすることが大切だと、改めて気づかさせられました。「息子くん、お姉ちゃんと比べてばかりでゴメンね」と反省してしまいました。息子にも読ませてみます。2017/09/01
ネギっ子gen
58
トリシャは絵を描くことや本を読んでもらうことが大好き。なのに、読めない!ちっとも読めるようにならない。くねくねした形に見えるだけ。頭が悪いのかな。でも、新しい先生がやってきたことで――。LD(学習障害)児の心の叫びと感動の出会いを描く自伝的絵本。「訳者より」で、<子どもにとって、想像力を広げるためには、自分はできるという自信、自分は守られているという安心感が不可欠なのではないでしょうか。すべての子どもたちは、助けられ、守られ、導かれることを必要としています>と。巻末に、日本LD学会の上野会長の解説あり。⇒2021/08/04
スプーン
44
再読、読むたびに感動。僕のフォルカー先生は英語のK先生。先生!あれからたくさん英語の歌聴きました!外国の映画もたくさん観ました。海外旅行した時、僕の英語通じたんですよ!K先生のおかげです。ありがとうございます。2019/02/16
Totsuka Yoshihide
38
私はフォルカー先生のような人になりたい。こんな先生に出会えたらみんな学ぶ楽しさをもっともっと知ることができるんじゃないかな? 本の表紙に蜂蜜を塗りたくなりました(笑)2022/01/24
ゆうゆうpanda
37
「信じられますか?子供の本をかいているんですよ」作者の自伝です。学習障害で文字や文章を理解しようとしてもすっきりと頭に入って来なかった少女時代。彼女に合うやり方を工夫して指導してくれたのがフォルカー先生。絵の才能を評価して自信をつけさせてくれたことも効果があったようです。「先生、本当に本当にありがとうございました」でも、支えてくれたのは先生だけじゃありません。草原に寝転んでお祖母ちゃんと見た星空、ハチミツの瓶を抱えてお祖父ちゃんを思い出す星空、そんな素敵なシーンを描けるのは愛されて育ったからだと思います。2016/02/26