出版社内容情報
おばあちゃんが私と同じ中学一年生!?ひょんなことから孫の優菜も共に夜間中学に通うことに。かけがえのない日々が始まった。
山本 悦子[ヤマモト エツコ]
内容説明
「わたしも4月から学校だから」ある日突然、おばあちゃんが宣言した。おばあちゃんがわたしと同じ中学一年生!?孫の優菜は、ひょんなことから、ともに夜間中学へ通うことに。それはかけがえのない日々の始まりだった―。
著者等紹介
山本悦子[ヤマモトエツコ]
1961年愛知県半田市生まれ。元小中学校教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
112
幼い頃に学校に通えなかった優菜のおばあちゃんは、夜間中学校に通い始めた。駅の階段から落ちて捻挫したおばあちゃんに付き添って夜間中学校に通うようになった優菜の驚きと戸惑い。これ、とても素敵な1冊、お薦めです。 2017/08/11
へくとぱすかる
106
幸さんが、自分の名前の意味を初めて知ったシーンまで来て、思わず同じように、グッと来てしまった。中1の孫・優菜が見た1ヶ月間の夜間中学は、きっと彼女を名前の通りの、優しい人に成長させてくれたにちがいない。和真くんやカルロスや松本さんとのかかわりは、本当にかけがえのない経験だったろう。もちろんお互いに「仲間」としての心の財産として。夜間中学は時代とともに次第に違う姿になっていくだろうが、学校に行けなかった人々の学びの場としての役割は、今後も変わらずにいてほしい。2019/04/11
zero1
98
【人は、なぜ学ぶか?】という問いの答えが本書にはある。76歳の祖母が夜間中学に通うと決めた。戦後の混乱で学校に通えなかったという。息子(主人公の父)は【みじめ】と言って反対。祖母は【大きな忘れ物】を取り戻すことができるのか。外国人が多い夜間中学だが不登校の生徒も。各生徒には事情があった。戦争に対する憎しみや、【クラスメート】としての団結など実に感動的な物語。10代の自殺や不登校が多い中、こうした作品はもっと読まれるべき。みんな、学んでる?学ぶ意味と大切さを実感してる?再読だが今年のベスト本にノミネート!2020/01/02
chimako
87
面白かった~ 優菜は今度中学生になる。76歳のおばあちゃんも夜間中学に入学する。それだけでもかなりインパクトがある。おばあちゃんは実は漢字が読めない。おじいちゃんが生きてるときはずっとおじいちゃんがサポートしてたんだって。おじいちゃんが亡くなって一大決心して中学生になった。優菜はおばあちゃんの生い立ちや夜間中学の仲間たちの事情を聞きながら当たり前に学校に通う自分を省みる。お父さんはあんまり賛成じゃないみたい。恥ずかしいのかな?おばあちゃん、こんなに嬉しそうなのに。毎日頑張ってるのに。楽しい一冊だった。2020/07/10
はる
71
読友さんの御感想から。夜間中学へ通うことになったおばあちゃん。ひょんなことから一緒に通うことになった孫の優菜は、様々な事情で夜間中学へ通う人たちと出会い、多くのことを学びます。学生の大半が外国人だというのがいかにも現代的。きっと辛い経験もあったはずなのに、笑顔で明るい彼らが素敵ですね。学びたいというひたむきな想いに頭が下がります。児童文学らしい爽やかな物語でした。2017/03/11