出版社内容情報
月の夜にぼくは生まれた。何度も何度も転んでは立ちあがった。おかあさんの後についていっぱいまねっこもした。厳しい自然の中での子育てに、親子のつながりを静かに描く。
内容説明
つきのよるにぼくはうまれた。たちあがってはたおれ、たちあがってはたおれた。なんかいもたおれたけどさいごにぼくはたちあがった。生きる力を感じる絵本。
著者等紹介
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油絵科卒。『ねこの絵本』(講談社)『そばのはなさいたひ』(佼成出版社)で、ボローニャ国際児童図書展エルバ賞2年連続受賞。『いもとようこ うたの絵本(1)』(講談社)で同展グラフィック賞受賞。など著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
49
カモシカのお母さんと子どもの話。いろいろ教えてくれて、ずっと守ってくれていたお母さんが、ある日突然とどもを突き放す。いわゆる子離れの儀式。自然界ではいつまでも親に甘えていることは許されず、一人だちして自分の縄張りを持ち、自分の力で生きていかなければならない。人間の子どもだっていつかはその試練を受けなければいけないのだが、子どもにはつらいお話でしょうね。子離れできない親にとっても。2017/04/30
ゆうゆうpanda
34
いもとようこさん独特のやさしい絵でカモシカ?の子別れの儀式を描く。背景の茶色の暗さそれと対照的な動物の表情の甘さ可愛らしさ。親子だけが明るい色。自然界で守ってくれるのは母親だけだということが感覚的に伝わってくる。子別れのシーンは衝撃的だけど、絵はやっぱり可愛いいんだよなー。やがて命の春が巡ってくる…そんなタイミングでの子別れに優しさと希望を感じる。でも実際は本能に支配された行動。刷り込まれてなければ出来ないよこんなこと。どれ位の愛着と淋しさがあるのか知りたい。私?子別れ?無理無理。考えただけで秋風ぞ吹く。2015/11/01
papapapapal
31
親離れ子離れ…の場面で末っ子が泣いちゃった…。タイミング的に、今日読む絵本ではなかったなと反省。2019/12/01
めしいらず
27
いつまでも一緒にいることはできない。だから愛するということは、その人が1人でも歩いていけるようにしてあげること。悲しみと成長はいつも表裏一体。堪えて初めて前に進むことができる。2013/02/03
遠い日
19
ニホンカモシカの誕生と暮らし、そして子別れの時期までを切々と描く。生きるための知恵と練習。親は子に全てを教える。生きのびるための力を、日々の鍛錬で授けていく。深い愛情を感じるとともに、動物の本能としての独り立ちを、親も子も受け入れていくことの切なさを感じる。しかし、全ては生きるため。その厳しさを受け入れてこそ独り立ちなのだ。2015/10/26