出版社内容情報
我を忘れて、ナイチンゲール。
こんなナイチンゲール、聞いたことない！
鬼才文人アナキストが、かつてないナイチンゲールを語り出した。
それは聖女でもなく合理主義者でもなく、「近代的個人」の設定をやすやすと超える人だった。
「永遠の今」を生きる人だった。
救うものが救われて、救われたものが救ってゆく。
そんな新しい生の形式を日常生活につくりだせ。ケアの炎をまき散らせ。
看護は集団的な生の表現だ。
そう、看護は魂にふれる革命なのだ！
＊「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
【目次】
はじめに
第一章 ある日、とつぜん神はやってくる
第二章 憑依としての看護
第三章 つぎのキリストはおそらく女性だろう
第四章 ハンマーをもった天使
第五章 白衣じゃねえよ、黒衣だよ
第六章 運にまかせず、その身を賭けろ
参考文献
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
106
「シリーズケアをひらく」はどれも面白い。ナイチンゲールの伝記をアナーキスト栗原康が記す。編集者白石正明さんの慧眼です。クリミア戦争でバタバタ人が死んでいく中、彼女が考えていたことは「病気は自然の回復過程である」と。現場で問題があれば、経済力と衛生学と政治力でガンガン改善してゆく。ヴィクトリア女王と仲良くなり、統計学を使って1000頁の報告書を書き、病院の設計まで行い、過労でぶっ倒れるまで働いた。「看護はひとつの芸術であり、それは実際的かつ科学的な、系統だった訓練を必要とする芸術である」凄い人ですね。2024/03/15
やいっち
52
傑作。著者の筆力か、はたまたナイチンゲール自身の傑物ぶりゆえか、翔んだ本だった。感想はあとで。2024/03/11
shikashika555
39
ナイチンゲールの生涯がとてもわかりやすく説明されている。 「自己を顧みず傷病兵に献身的に尽くした白衣の天使」というイメージにかねてから反発を感じていたので、読んでスッキリしたというかよくぞ書いてくれたというか。 ただ、表記にひらがなが多いのが少し気になり読みにくく感じた。文体は独特のノリ良い流れるような調子。 2024/04/25
ケイトKATE
37
なにより、ナイチンゲールの人生に驚嘆した。興味深かったのが、ナイチンゲールが看護の仕事を通して、当時の身分社会あるいは、男性中心社会における常識や慣習を破っていったことである。自分の意志を貫くために自身の貴族の立場を利用したことは否めないが、決して自己利益のために動いていないから、やはり凄いとしか言いようがない。ナイチンゲールが登場していなかったら、看護の仕事はもちろんのこと、女性の地位向上も遅れていたと思う。ナイチンゲールは、誰にも指図されず、自分の意志で誰かをケアした生き方は”アナキズム”であった。2024/03/19
かさお
31
めっちゃ面白い🤣ケアをひらくシリーズ、 こういう掘り出し物があるからやめられない。行け行けゴーゴーナイチンゲール、神の言葉を聞いたその日から。男社会の軍隊で邪険にされたって構わない、だって私はお金持ち、食料、シーツ、4億分購入よ、壊れた野戦病院だって建て直しちゃう、それでも軍医は言う事聞かない、無視されて、毎日兵士が感染症と栄養失調でバタバタ死んでいく、やい役人共、働け、物資をよこせ、いや、書類に不備あるし責任者居ないし、よし、野郎どもカミコミじゃ〜、ハンマー持って倉庫にGO、白衣じゃねえよ、黒衣だよ→2024/03/14
