出版社内容情報
まずガロワ理論を念頭において環の理論を簡明に説明する。ついで体の拡大・拡大次数から始めて分離拡大,方程式の可解性に至るまでガロワ理論を丁寧に解説する。最後に代数幾何や整数論などと関わりをもつ可換環論入門を平易に述べる
目次
1 環(環とイデアル;ユークリッド整域、UFD;準同型写像、剰余環、同型定理 ほか)
2 体のガロワ理論(体の拡大・拡大次数;作図の不可能性;正規拡大とガロワ群 ほか)
3 可換環論入門(ネーター環とアルティン環;加群;局所化 ほか)
付録(代数閉体;群論補足)
著者等紹介
渡辺敬一[ワタナベケイイチ]
1944年東京都に生まれる。1967年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。現在、日本大学文理学部数学科教授・理学博士
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感想・レビュー
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葉
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意外と読み進めることができた。環とイデアルでは定理の証明があっはりしすぎているのでらないかと感じた。正規拡大とガロワ群が限界である。可換環は以前授業でやった範囲だったがこれっぽっちも覚えていなかった。セールの判定方や、シローの定理もよくわかっていないが巡回群は理解できた。2014/12/15
さわら
0
通読はできていませんが,コンパクトに書かれていると思います. 所々証明の飛びが大きいのできちんとフォローには苦労する気がします. モチベーション等はわかりやすく書かれているので楽しさは感じやすいと思います. 文章のレイアウトが非常に見やすいので一度キッチリ勉強してあれば参照するのには使いやすそうだろうなあと感じました.2014/04/26
jupiter
0
基本的な環や体の定義から始まって、ガロア理論、いわゆる「五次以上の方程式は解けない」、という理論までがこの本だけで理解できるように必要な分がコンパクトに書いてある。 また、ガロア理論の他にも、ネーター環の理論や代数幾何の理論などの入門的な部分や基礎的な部分も定義からきちんとあって、可換環のさまざまな分野の基礎が学べる。ガロア理論が目的でなくても、何か別の本を読む祭に代数の基礎的な部分を一部補うのに使えると思う。 実際、僕自身もハーツホーンの代数幾何を読もうと思った際に、抜けていた知識を補うのに参考にした 2013/01/02