感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
91
以前小説版を読み、これは凄く私好みの小説だ! と思いつつ、後半のカタカナセリフをまともに読むことができず、結局あまりよくわからないままになってしまっていた。図書館にこの漫画版があることを知り、ようやく読んだ。やっぱり凄い作品だった。アトランティスの謎を追うプラトンから始まり、シッタータ、ナザレのイエスと、錚々たる顔ぶれが、時空を超えて繰り広げる壮大なエンターテインメントSF。エンターテインメントなんて言うとこの作品のファンに怒られそうだけど、生きること自体、強烈なエンターテインメント。そして無力感に泣く。2022/04/29
やきいも
91
原作は光瀬龍による日本SFの名作。それを萩尾望都が漫画化した本。地球の歴史は文明の滅亡の歴史だった。なぜ、人類は滅びの道から逃れられないのか? 時間をこえ、空間をこえ、哲学者プラトン、釈迦国の王子悉達多(シッダルタ)、阿修羅王はその謎を解こうとするが…。内容はやや難しいけど、萩尾さんの美しい絵にひきつけられてぐいぐい読まされた。壮大なスケールの物語で「人間の存在のはかなさ」とかをがらにもなく考えてしまった。光瀬さんの原作の小説もぜひ読んでみたい。2015/09/14
青蓮
62
名作!!面白い!! 遠未来の地球を舞台にプラトン、オリオナエ、シッダールタ、阿修羅王、イエス・キリスト、ユダ、弥勒などの人々や神々が戦い続ける、日本SFの金字塔!! 何回かよみなおしたい!阿修羅が好きです。手塚治虫の「火の鳥」や「ブッタ」が好きな方は好きかも。2018/08/05
こら
61
いつか読まねばと思っていた、日本SFの金字塔。とにかく阿修羅達と「シ」の超星雲規模で展開される死闘のスケールに圧倒されたというのが第一印象。弥勒、梵天、アトランティス、ナザレのイエスと単語だけでも魅力的でクラクラしてしまう。また、ミステリ的に言えば、開発計画の真相もSFならではのもので、これまた圧倒されてしまう。2021/05/12
yumiha
38
原作を読み終えて、こっちも読みたくてたまらず、中古本を購入しちまった。原作では長すぎると思っていた序章が、コンパクトな4ページだったので納得。人の世は苦しみばかり。地球創生の時(序章)から滅びの道をインプットされていたのではないか?という疑問。万物流転を思う。「来世!浄土!救い!そんなものはきやしない」と叫ぶ阿修羅に、弥勒やキリストの欺瞞をあばこうとする原作者や萩尾望都が見えた。でも、それでも、命尽きるまでは生きなければならない。百億千億の歴史のほんのわずかだとしても。2017/11/21