鑑識眼の科学―認知心理学的アプローチによる考古学者の技能研究

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  • サイズ A5判/ページ数 207p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784250207266
  • NDC分類 202.5
  • Cコード C3011

出版社内容情報

出土遺物を瞬時に識別し、記憶に焼き付ける考古学者の鑑識眼。謎に包まれたその技のメカニズムに認知心理学の理論・方法で迫る。

内容説明

出土遺物を瞬時に識別し、記憶に焼き付ける考古学者の鑑識眼。謎に包まれた熟練の技のメカニズムに、認知心理学の理論・方法で迫る。

目次

第1章 今なぜ鑑識眼にメスを入れるのか―問題と背景(“鑑識眼”とは何か;鑑識眼研究の目的と意義;研究の方法論)
第2章 鑑識を支える知の性質(カテゴリー化(分類)研究のこれまで
典型例の描画実験(実験1)
典型性の評定(実験2)
考古学的カテゴリーの特性)
第3章 観察方略と記憶(考古学者の視線―遺物観察時の眼球運動(実験3)
描画法を用いた記憶テスト(実験4)
考古学的に「見る」とは?)
第4章 “現場”のなかの鑑識眼(発掘調査活動時の視線・判断・記憶(実験5))
第5章 考古学者の鑑識眼を科学する(考古学的鑑識眼を形づくるもの;鑑識眼研究の今後)

著者等紹介

時津裕子[トキツユウコ]
日本学術振興会特別研究員(PD)、博士(人間環境学)。1973年福岡県生まれ。九州大学大学院人間環境学府(行動システム専攻)博士後期課程を修了。九州大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー講師を経て、2005年度より現職。専門は認知心理学。現在の主な関心は、鑑識技能の領域間比較および効果的トレーニング法の開発。日本認知心理学会第1回大会優秀発表賞(新規性評価部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Mentyu

1
こういう基礎研究はとても大事ですね。認知考古学で過去を解き明かすのではなく、むしろ考古学者自身の認知能力を検証していくという方向性。2021/10/30

遊動する旧石器人

1
2007年12月発行。考古学者の鑑識眼とはどういうものかに迫る1冊。自身が数量化何類などいろいろな度合いを数値化し、それがどういうことでこのようなグラフになるのかは勉強不足で理解ができないが、その分析結果(言語的解説)は理解できた。考古学者の「眼」を作るにはプロトタイプ、つまり自身の中に基準となる資料があり、それとどう異なりどう同じかとアウトプットすることで、プロトタイプしか対応できない中級者までと未知の資料にも対応できる上級者がわかれる。ともあれ、考古学者の「眼」はやはり経験値である。2016/05/31

tnk

0
板付I式の典型例を図化してもらう、観察した後に再現してもらう、その際の眼球の動きを調べるといった調査から、考古学の鑑識眼には典型例の記憶や見るべき場所の知識が大きな役割を果たすと指摘。型式分類自体が自明でないとは言及されるが、今度はその点に深く突っ込んだ心理学研究が待たれる。15年前の本なので、もうあるのかもしれないが。2023/05/30

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