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内容説明
宇宙歴788年、民間人300万人を救出し、惑星エル・ファシルから帰還したヤン・ウェンリーの名は、軍内ばかりでなく同盟全域にまで「英雄」として知られるようになっていた。中尉から少佐に昇進したヤンが手がける最初の仕事―それは、43年前に戦死した伝説の英雄ブルース・アッシュビー提督の死の真相を探ることだった。手がかりを求め、アッシュビーの元幕僚の一人である老提督のもとを訪れたヤンであったが…。
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年10月22日、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年在学中に「緑の草原に…」で、幻影城新人賞受賞。1988年「銀河英雄伝説」にて第19回星雲賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
24
惑星エル・ファシルから帰還して英雄となったヤンが43年前に戦死した英雄の死の真相を探る。SFとミステリが融合して物凄く面白い。宇宙での大規模な戦争の中で、凶器は戦艦の砲撃という華々しさ。過去の殺人(?)だけでなく、現代の人々も巻き込み、だんだんと謎が深まっていく展開は完全にミステリだった。凄く好き。帝国軍兵士たちの捕虜収容所へ転勤しても亡霊のように事件が付きまとってくるのも面白くて、下巻への期待が高まる。既に老成している感はあるものの、それでも21歳のヤンにはまだ若々しい反応が多いのも新鮮で楽しかった。 2019/03/19
ヤギ郎
10
ヤンがキャゼルヌに言われてある提督の死について調査する。感想の続きは、シリーズ9巻(下)にて。2017/01/17
Tetchy
10
同盟軍史上の英雄ブルース・アッシュビーの死の真相を探る隠密行動を強いられるというテーマで歴史の暗部を明らかにしていくこととなるのだが、それが必ずしもドキドキハラハラの演出で繰り広げられるのではなく、やる気の無いヤンのマイペースぶりで淡々と物語は進行していく。途中捕虜収容所へ着任させられ、脱走事件などが起きるものの、物語はあくまで起伏がない。しかし、これが約40年間捕虜だったというケーフェンヒラーという人物を際立たせる効果を確実に上げている。2009/07/14
ヤギ郎
8
暇つぶしに読んでみた。アニメのシーンを思う浮かべながら読み進めた。ヤンが少佐になったばかりで、ユリアンと出会う前の物語。イレギュラーになってしまうと、イレギュラーな仕事を任されてしまうんですね。下巻は後日読もう。2017/08/12
まるてぃん
4
ヤンが主人公を張っている唯一の外伝…のはずだが、上巻ではそれほど活躍していなかったりする。むしろ730年マフィアの独壇場。こいつらカッコよすぎる。個人的にはアッシュビーとジャスパーが好き。この物語を読んでから(というかアニメを見てから)パトリチェフが大好きになった。アニメのパトリチェフは、ヤンを見るときの目が慈愛に満ちているというか、できの悪い弟を優しく見守っている頼れるお兄さんふうで微笑ましい。アニメの話ばかりで恐縮だが、例のあのお別れのシーンとか、最期にヤンに向かって微笑みかけたあの表情に涙した。2012/01/27