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内容説明
ぼくの背中にあるふたつの瘤、それは出来そこないの翼のようだった―異形の遊女たちが、春をひさぐ“歓楽の街”メルルキサス。身ごもることが出来ないはずの“メルサスの女”から産まれた少年イェノムは、ただひとりの“街の子供”として育てられていた。彼の不満は十五になった今でも子供扱いされること…。ある日イェノムは、世界支配をもくろむトリネキシア商会の魔手からのがれて、この“螺旋の街”にやってきた少女、未来視をもつカレンシアと出会った―。夢幻と冒険に満ちた異世界ファンタジー。
著者等紹介
菅浩江[スガヒロエ]
京都市生まれ。1981年高校在学中に、「ブルー・フライト」(SF宝石)でデビュー。1992年、本作「メルサスの少年」、1993年短編「そばかすのフィギュア」で星雲賞を2年連続受賞。主な作品に「ゆらぎの森のシエラ」「氷結の魂」「永遠の森 博物館惑星」などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
電気羊
33
星雲賞受賞作。グロテスクだが美しい娼婦の街メルルキサスを舞台にしたファンタジー。他の生物と混ざった姿を持つメルサスの女。彼女たちはからくりの動力になる鉱石パラサンサを採掘する男たちに春を売って暮らしている。子供を産めないはずのメルサスの女の子供として育てられている少年イェノムははやく大人になり外の世界へと出ることを夢見ていた。失われた時代のからくりや特殊な生物などナウシカを思わせる。外の世界やからくりについてあまり語られないのは残念。世界観はよいのでシリーズにして世界を駆け巡る冒険譚にして欲しかった。2022/10/11
時雨
2
初期の菅さんの名作だと思う。そして何より表現の美しさが好き2011/09/26
フタ
2
再読。脳内映像が綺麗で嬉しくなる。大好きな本。2011/07/28
wavie
2
ファンタジーのようで身近なものを彷彿とさせられるものも出てくる独特な世界観を持った作品だと思う2009/06/07
ヌーン
1
借りたはいいがなかなか読み始められなかったのは、設定のせいか。しかし、大きなお兄さんにはある種たまらない設定なのではないでしょうか。読み始めるとすいすいいけた。とてもおもしろい。ただ、残念なのは、この物語も少年と少女が手に手をとって新しい時代に踏み出したところで終わっているところ。終わったところからが多分大変なんだろうなぁ。そっからが読みたいんだけどなぁ。2010/03/01