内容説明
少女は歌舞伎町の暗黒に呑み込まれたのか!?人気の若手エッセイスト林あや美には苦い思い出がある。高校生時代、女友達と夜遊びに出かけた新宿歌舞伎町で、友達が蒸発したのだ。彼女を探し出したい。そんな思いもあって、この眠らぬ街に住みついたあや美の前に現れる奇怪な男女。血まみれの首の女、連続殺人鬼の似顔絵に酷似したストーカー…襲いくる悪意の恐るべき正体とは。
著者等紹介
岩井志麻子[イワイシマコ]
1964年岡山県生まれ。99年「ぼっけえ、きょうてえ」で日本ホラー小説大賞を、翌年に同題の作品集で山本周五郎賞を受賞し、一躍注目を集める。02年『チャイ・コイ』で婦人公論文芸賞、『自由戀愛』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tsuyoshi
62
人気美人エッセイストである林あさ美。前半は根城にする歌舞伎町での生活ぶりと彼女が書く斬り口鋭いエッセイが交互に描かれていて読みやすかったが、後半からは妄想と現実が入り交じってあやふやな感じになってしまったのが残念。しかし全編通して現実世界で生きる人間の嫉妬や恨み、理想への固執や復讐心などドロドロとした部分は伝わってきた。2018/05/19
H!deking
53
一言でいうと、人気美人エッセイスト、林あさ美が巻き込まれる事件の顛末、ってところかな。エッセイを軸に進んでいく文体は面白かった。途中から真梨幸子風なイヤミスです。タワーマンションと女性編集者ってとこだけだけどw幽霊より生きてる人間のが怖いってのはわかるね。1482017/12/15
ちょん
18
ご本人の話なのか?と思ってしまうような雰囲気のお話。エッセイ風に書かれてるところと小説の中の現実世界として書かれている場所の描写が絶妙で、何度も現実とごっちゃになりました✨切なく面白く読了。ちょっと怖かった。2022/04/17
からっぽな蛙《真梨江》
12
もうこっち系は充分だと思うんだけど…。解説では好意的に“小説を発想するかが窺える副読本”とあるけど、ここまで続くとネタの使い回しにしか思えない。自伝的要素を入れることで真実と虚構を曖昧にする最近の手法は面白いんだけど、読後感はよろしくない。本書に関しては、林あや美が29歳って無理あるだろ!の一言。時代設定の明記はないけど作中作の文体に違和感が凄くて内容が入ってこなかった。絶妙なおばちゃん感がまんま志麻子さん。もう少し実年齢近くに設定したほうがよかったよ。改題もしないほうが雰囲気にあってたのにな。2013/06/24
ヒロ姐
11
途中から期待してた方向とズレが生じて何が何だか(夢なのか現実なのか)理解できなくなりながら読了。ん〜・・・さすが「岩井志麻子」2016/09/19