内容説明
昭栄化学工業が大分県に巨大石油化学コンビナートの建設を開始した。システム室課長補佐として赴任した柿崎仁の任務は、この大コンビナートをコンピュータ管理による世界最大かつ無公害・安全第一にすることであった。が、そんな矢先、柿崎を病魔が襲う…!未練はあるが、悔いはない―四十五歳で逝った男の生き様を描く感動の傑作長篇。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939年東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつうら
50
仕事一筋、それこそ文字通りに、寝る間も惜しんで石油化学プラントの立ち上げに奔走した主人公が、志半ばにして病魔におかされ、惜しまれながら亡くなってしまう物語。著者はこの作品を通して、働くことと生きることを問うているのかもしれない。しかし、柿崎のようにひとり全力で突っ走ることを美談にしてしまっていいものなのか? この点でどうにも疑問が残る。巨大プロジェクトのキーマンならば、体調をコントロールすることも重要な仕事のはず。仕事が大きければ大きいほど、その成否にチームワークが問われると思うのだが?2023/02/19
逃げるが勝ち!!
3
20年前に読んだ本を再読。 やっぱり泣けました。福島原発所長の吉田さんを思い出しました。今の若い方には主人公の生き様は、わからないのかもしれませんね。2015/07/16
ナヅ
3
最後の白血病はまだ不運だとして、主人公は体調管理ができなさすぎでしょ。ワカーホリックのレベルだし、いちいち自分を捨てた労働奉仕を男の生き様に読み替えてる部分があるし、亭主関白丸出しで昭和感満載。 悪いとは言わないけど、今の感覚ではない。 命を削って仕事をする? 俺は嫌だね。2015/03/18
Ryo
2
仕事にかける人生、完全燃焼する人生、仕事を生きがいとし、国内初の大規模石油化学コンビナートをコンピューターで完全制御するプロセスエンジニアであった柿崎のサラリーマン人生は、糖尿病や白血病との戦いであった。 「全力で生きてきて、未練はあるが悔いはない」と言い切れる生き方には憧れる。2022/10/29
あっきー
2
時代は違い昨今の働き方とは異なるのかもしれないが、仕事に生き、若くして逝った英雄としてその生きざまには感動させられる。悔いのない人生を生きられるか?考えさせられた。2022/08/08