徳間文庫
顔 FACE

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  • サイズ 文庫判/ページ数 376p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198922337
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「だから女は使えねぇ!」鑑識課長の一言に傷つきながら、ひたむきに己の職務に忠実に立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。瑞穂が描くのは、犯罪者の心の闇。追い詰めるのは「顔なき犯人」。鮮やかなヒロインが活躍する異色のD県警シリーズ。

著者等紹介

横山秀夫[ヨコヤマヒデオ]
1957年東京生まれ。1998年『陰の季節』で第5回松本清張賞を受賞。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2002年『半落ち』が各ミステリーランキングのベスト1に輝き、一躍、人気作家となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

236
D県警シリーズ。「陰の季節」で登場した平野瑞穂巡査を主人公に短編を5編収録。男社会の警察組織の中で、休職から復帰した瑞穂は不器用ながら職務に取組んで行く。濃厚な人間ドラマのなか、瑞穂のひたむきさが清涼剤となる。特に「疑惑のデッサン」、「共犯者」、「心の銃口」が印象に残った。「疑惑のデッサン」の絵画に込められた意味。「共犯者」での孫の苦しさを晴らす祖父。「心の銃口」の緊迫感と再生。エピローグもまた良し。短編だが濃厚な魅力ある傑作と感じた。2015/04/08

しんたろー

220
本作は女性主役で書いている点に注目…男臭いドラマ&ミステリに定評ある方だが、女性では?…やはり巧い!主人公・瑞穂の成長譚でありながら、ミステリとしても一級品。男社会の日本で、特にそれが色濃い警察で、女性の辛さと切なさを救い上げるように描いている。健気な瑞穂と先輩・七尾が素敵で、彼女らの葛藤に共感した。哀しく余韻が残る『決別の春』と『共犯者』には溜息。『心の銃口』は最後を飾るに相応しい骨太なサスペンス!「横山秀夫って堅くて暗そう」と敬遠している女性に入門編として推薦すると共にシリーズ化して欲しいと思った。2017/11/16

ナルピーチ

208
男尊女卑が根強く残る警察組織の中、「似顔絵婦警」として鑑識班に所属していた平野瑞穂はある事件を切っ掛けに異動となってしまう。新たな所属先で発生する五つの事件。最初は弱々しかった彼女も事件が解決していく度に強く逞しくなっていく。そんな姿がとても勇ましくみえた。男社会の中、立場の弱い女性警察官の意地を見せつけられた一冊。さすがの横山クオリティ! D県警シリーズ第3弾も安定の面白さでしっかり読ませてくれた。やはり最終話「心の銃口」が印象深い。かっこいい婦警さんになるため、頑張れ!!2022/01/06

るーしあ

206
横山秀夫にしては珍しい女性の主人公。表現が幾許かやわらかい印象。それでも面白さは変わらない。短編集なので期待したが裏切らない抜群の安定感。先にテレビドラマで見ていたため、主人公・平野瑞穂のイメージは完全に仲間由紀恵。原作も美人の設定だから間違ってはいないはず。ドラマは途中で見るのをやめてしまったが原作は楽しく読了。所属が広報、鑑識、捜査一課と多岐に渡る。横山ワールドを満遍なく堪能した感がある。他作品とのリンクがあるので読む順番に要注意。「陰の季節」「顔」「64」の順か。お気に入りは「魔女狩り」。2016/01/05

hit4papa

200
D県警の婦警を主役に据えた連作短編集です。信念を貫いたため組織から爪弾きにされてしまった20代の女性が描かれています。嫉妬、悔悟、混迷といった内省的な部分にスポットがあたっているのが、本短編集の特徴でしょうか。

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