内容説明
この街でなら、どのような奇跡があろうとも不思議はないような気がした。形見の“螺旋”―アンモナイトの化石を手に、異国の地で死別した女の故郷を訪ねる男。魂月法とはいったい何か?表題作ほか、全七篇を収録。傑作幻想ホラー小説集。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年神奈川県生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
67
いい加減「上弦の月を喰べる獅子」に手を付けようと思い立ち、それを読むならまずは、この本で夢枕獏先生の螺旋の思考に弾みをつけようと再読した。が、こんなにゾクリとする本だったかな…ゾクゾクする怖さでは決してない。ゾクリと気持ち悪さで鳥肌が立つ本。この本は何度も読んでいると思っているんだが、何度読んでもゾクリとする。足がね、ビクビクするんだよ、ゾクリとしてさ。この本を読んで怖いと思ったことはないね。ゾクリと足に何かが這い上がってくる感じは常にするが。読みたい人いるかね?結構気持ち悪いよw俺はオススメしないw2022/07/22
ミュポトワ@猫mode
54
夢枕獏先生によるホラー小説集。初読だと思っていたけど、一度読んでるね、多分。いくつか覚えてました。っで、短編ホラーが7話収録されているんですが、やっぱり夢枕獏先生は面白いと思うのですよ。最近ご無沙汰してたので、久しぶりに読んでみたんですけど、期待は裏切らないね。昔むさぼるように読んでて、結構影響を受けた作家さんなので、やはりはずさないよなって思います。夢枕獏先生はいろんな本を出されているので、全部読むことは多分俺には出来ないことなのかもしれないですが、これからも少しずつですが、読んでいきたいと思います♪2021/02/11
はかり
15
夢枕の恐ろしい話が満載。螺旋と月の話は遠くネパールまで飛ぶ。アンモナイトの螺旋の呪いの話は恐ろしい。どこまでも人間を追い詰めてゆく。逃げることはできない。運命のようなものに絡めとられる。2024/02/12
hirayama46
4
ホラー・幻想寄りの短編集。後半のSFや歴史ものの長編の要素を引き継いだような短編も良かったですが、前半のエロティックなホラーが好みでした。姉やショタを対象としつつ、針や靴の内側など、やや一般的ではない要素を導入していて素敵です。夢枕獏の小刻みでリズム感のある文章で紡がれる官能性は良いものですね。2019/08/14
アキ
4
表題作の他に、「ころぽっくりの鬼」「微笑」「優しい針」「蛇淫」「髑髏盃(カパーラ)」「檜垣-闇法師-」を収録。20〜30ページの短いものも含まれていますが妖しく、恐ろしく、時にグロくて、残酷で、淫靡で、不思議で、幻想的で、雅で、神秘で、美しく、そして悲しい・・・『呪』をどう表現するか・・・書き手によって随分とその見え方は違うものだけど獏さんの「呪」は色気があって良いなぁ〜2009/05/01
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