内容説明
一九四八年七月初旬、呉軍港へとかえりついた日本帝国軍艦“尾張”は、独戦艦“フリードリヒ・デァ・グロッセ”の追撃戦に参加したことにより、大破とみなしてもよいほどの損害を受けていた。とくに、最重要防御部内部にまでおよぶ、三番主砲付近に生じた破壊が深刻であったがため、艦政本部は損傷修理の際、ひどい混乱に陥ってしまう(表題作)。書下し短篇つき。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ
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感想・レビュー
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フロム
4
外伝はこれにて終了。戦後(レッドサン・ブラッククロスの世界観で)の話が多いので。全体的にトーンは低め。イメージとしてはパトレイバー映画版3作目と言った感じ。いやそう思うのは僕だけかもしれないが。レッドサン・ブラッククロスシリーズ読了後外伝三作まで押さえる人は多いと思うが、個人的にはもう一寸頑張って秘録の方にも手を伸ばすことをおススメする。エッセンス的にはあれが一番濃い。と僕は考える。2017/08/23
はばたくキツネ
2
なんとも言えないどんでん返しの『宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ』が白眉。RSBC世界の人類が月面で見つけた黒いモノリスではなく、旧大ドイツ帝国とドイツ語の刻まれた一片のプレートであった。…と書くとトンデモ系の仮想戦記のような話だが、「このまま忘れ去っても、この世界に何の悪影響も及ぼさない。」わけで、この辺が佐藤大輔らしいところ。それと『交戦規則』、同じ時に同じ場所にいても、立場が違えば階級も違う二人が見ていたものは同じものではありえなかった、という、これデイトンの『べつの二人だったに違いない』じゃねーか。2012/02/28
こぼこぼ
0
RSBC外伝も取り敢えずこれで打止め。「宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ」「ペリカンはいつも血を流す」が好き。「ペリカン~」の鹿内中佐の会議における捨て台詞と名倉中尉がいつも何かをこぼしている描写が鷹井少佐の女傑ぷりと良いコントラストを成している。男共は戦争をしていても所詮は女性の手の内,と云う事か。2015/10/31
鐵太郎
0
レッドサン・ブラッククロス外伝の3です。これで外伝も終わり。 「飛鳥の往けぬ空はなし」、「交戦規則」、「海底戦隊<隼>」、「727高地の争奪」、「市民討論」、「法務大佐かく語りき」、「フリードリヒ大王最後の勝利」、「主力戦闘車論・断章」、「喪失1号」、「宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ」、そして文庫版になって追加された「ペリカンはいつも血を流す」。大ちゃん、もっとRSBCで佐藤節を読みたいと思うファンは、まだいるんだよ。 2008/09/10
可兒
0
外伝3の再読に2008/08/15