内容説明
宇宙歴７９９年、２３歳の若き君主・ローエングラム王朝初代皇帝ラインハルトが誕生した。だが、首席秘書官・ヒルダの従弟であるキュンメル男爵がラインハルト暗殺未遂事件を起こす。一方、軍を辞してフレデリカと結婚し、静かな生活を送っていたヤン・ウェンリーも安らぎを奪われつつあった。帝国側は、軍事的英雄である彼を潜在的危険人物と見なして監視をつけたのだ。平和が戻った宇宙は再び風雲急を告げる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
り こ む ん
32
政争、戦争、宗教の三つ巴。皮肉たっぷりに感じるのは、今の状況と酷似してるからだろうか？人って変わらないのだなぁ…変われないのだなぁ～と…読んでいて切なくなる現実ではないのにな。正義とは…何なのか？自分の正義が相手の悪。どこまで行っても交わらない価値観…なぜ？人は一つの正義を頑なに追いかけるのか？一つでなければいけないのか？人がいるだけ、国があるだけ、宗教があるだけ正義がある…2017/10/04
Tetchy
11
シリーズ半ばにしても勢いは衰えず。人間の欲望で物語はさらに膨張する。2009/01/08
Humbaba
8
実力があることは、必ず幸福をもたらしてくれる訳ではない。むしろ、その実力によって周囲から過度の期待や疑心を持たれてしまう事も多い。例え何も行動をしていなかったとしても、それすらも何らかの策謀と考えられてしまい、危険視され、そして安心のために排除される危険もある。2016/02/17
Humbaba
7
努力とは必ずしも報われるものではない．真摯な気持ちで有能な人間が行動したとしても，その方向が適切でなければ効果を発揮することはない．力を発揮するためには，方向をよく考えなければ，本人も周囲も不幸にしてしまう．2013/02/14
Humbaba
7
若くして退役し，悠々自適の年金生活を享受する．しかし，その生活は気楽なものとは成り得なかった．国の財政危機による収入の減少．それだけならばまだ何とかなるが，それに加えて危険人物としての監視が加わると，その生活は気詰まりするものとなる．2010/10/17
