内容説明
1910年の日韓併合から45年の日本敗北の瞬間まで、36年間朝鮮半島に君臨した「朝鮮総督府」。足がために乗り込んだ伊藤博文から寺内正毅、長谷川好道ら八人の総督が存在した。語られることの少ない“日韓併合時代”を大韓帝国滅亡に立ち合う悲運の国王高宗と純宗、暗躍する親日派高官、生命をかける抗日志士のそれぞれの生きざまを軸に展開する。知られざる歴史―日韓の悲劇を描く壮大な近代史ドラマ。
感想・レビュー
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がんぞ
6
「ロシアより米国に独立を訴えてみようか」高宗の主体性なさ。その米国のスティーブン公使暗殺に言及が無いが国が亡びる引返し不能点。馬鹿・狂人が優遇され意が通り、有能な人材が左遷でなく暗殺&処刑の亡国の様相…日韓併合に砕身した李完用を悪者とし、国家破産と伊藤博文暗殺の負債は等閑視/併合により学校制度開始でようやく近代国家への途に入れた、恨むのは大恩の父親をそねむようなもの/暗主の急死。「日本による暗殺だ」との憤激が3.1運動となった/強盗の成上がり金九は暗殺指令塔だから暗殺されて当然だが亡命李承晩も無資格簒奪者2019/08/02
がんぞ
3
大部だが、それでも抄訳とのこと。併合時代を知る朝鮮人だけに最近のようなヒステリックな被害者呼号ではないが、それでも日本の感情を理解していないと思わせるところは多々。俺は閔妃暗殺は内部と思うが、日本軍人としても警備の不備、人心の離反が招いた自業自得と言える。ちょっと書いてあるが国王ともあろうものがロシア大使館に避難では国外亡命と変わらない、すでに亡国の所業である。戦後日本になぞらえると、マッカーサーを暗殺し地方で残存兵力が米軍にテロを繰り返したなら、間接統治ではなくなり皇室は存続できなかった、そういうことだ2015/01/07
Wadachan
0
植民地支配下の「日常」の現実。 悲しくやるせない思いで読了しました。2021/10/21