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鳩護

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  • サイズ 46判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198651695
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「お前は鳩に選ばれたのだ」

小森椿27歳、会社員。
鳩に謎の使命を背負わされる!

文学界を席巻する新星が放つ、
摩訶不思議な鳩をめぐる物語。

一人暮らしのベランダに突然、真っ白な鳩がきた。
怪我をしているらしく、飛び立つ気配もない。
小森椿は仕方なく面倒をみることにする。
白鳩に愛着がわいてきた数日後――。
帰宅途中、謎の男に奇妙な宣告を受けた。

「お前は俺の次の『鳩護』になるんだ」

鳩を護ることを宿命づけられた者。
それが鳩護だという。
なにその宿命? どうして私が?
混乱する椿をよそに、
白鳩は椿の日常を否応なく浸食していく!

内容説明

一人暮らしのベランダに突然、真っ白な鳩がきた。怪我をしているらしく、飛び立つ気配もない。小森椿は仕方なく面倒をみることにする。白鳩に愛着がわいてきた数日後―。帰宅途中、謎の男に奇妙な宣告を受けた。「お前は俺の次の『鳩護』になるんだ」鳩を護ることを宿命づけられた者。それが鳩護だという。なにその宿命?どうして私が?混乱する椿をよそに、白鳩は椿の日常を否応なく浸食していく!

著者等紹介

河崎秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。北海学園大学経済学部卒業。2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞を受賞デビュー。同作は一五年度JRA賞馬事文化賞を受賞。19年『肉弾』で大藪春彦賞を受賞。『土を贖う』で第三九回新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

245
なんとか不思議な物語。ひょんなことから、鳩を護る“鳩護”(はともり)になる。それは要するに下僕。夢と現実が交差して、椿もこれじゃストレスを感じるわと思う。ストレス感じてもハト子をしっかり飼うところは優しさと可愛さを感じるけど、ストレスのせいだとは思うけど、舌打ちとか態度に出るのは嫌だな。そんな椿、いつか背を伸ばして前を見ていけば、もう貧乏くじを引かず、幸せに向かう気がする。人と鳩の関わりの歴史を学んだ物語でもある。それから、これ読んだから鳩サブレーを食べたいとは思わないのは間違いないね。2020/12/21

みっちゃん

166
河崎さんの新境地か。これまでの骨太で硬質な、土の匂いが立ち上ってくるような文章から様変わり。でもこの主人公を身近に感じられるような柔らかな筆致、読みやすくて私は好きだな。ある日、ベランダに迷いこんできた白い鳩。と同時に謎の男に突然背負わされた「鳩護」という「任務」日常に浸食してくるのは夢か幻か、はたまた妄想か。徐々に姿を現す不穏な存在。ちょっとホラーめいたファンタジー。最後まで謎は謎のまま、なんだけど読後感はすっきり。私的には今まで読んだ河崎作品で一番好きかも。2020/12/16

おしゃべりメガネ

144
「三浦綾子文学賞」作家で道産子の河崎さん作品ですが、過去作品とはビックリするくらいに作風が異なり、これまでのあの泥臭い北海道テイストなワイルド作品を期待してると、かなり面食らいます。本当にこれ、河崎さんが書いたのかと最後まで疑問に思いながら読了です。ある日、一羽の白い'鳩'に懐かれた「椿」はアラサーで出版社に勤務しているちょっと変わったOLです。そんな彼女が'鳩'との出会いから、不思議な体験を繰り返す日々が始まります。ファンタジーといえばファンタジーなのかもしれませんが、最後まで何とも不思議な作品でした。2020/11/27

なゆ

109
読み終わるとテーマは重めだが、独身OL椿が巻き込まれることで読みやすい。「お前は俺の次の鳩護になるんだ」ケガをしてベランダに迷い込んできた白鳩、鳩にまつわる古い夢、それは選ばれたからだと謎の男(弊巻)は言う。どうやら何代にもわたってひっそりと受け継がれているらしい鳩護という役割があるらしい。家畜としての鳩とそれを利用する人間、か。戦時の伝書鳩から始まり鳩にもいろいろ役割があったのに、時代の変化で厄介者にされてしまう。ストレス溜まりまくりの椿がいつしかハト子と心通わせていく感じが微笑ましかった。2021/02/22

nico🐬波待ち中

108
27歳の椿は突然、鳩を護ることを宿命づけられた"鳩護"になる。今までの河崎さんとは異なる作風に驚いた。過酷な自然とのリアルな闘いの物語に対し今回は…夢とうつつの間をさ迷うファンタジー?けれどそこは河崎さんらしく、動物が直面する厳しい現実を読者に訴えることも忘れない。鳩が家畜の立場にあることにショックを受けた。先輩鳩護から「猫背」と呼ばれる位いつも背中を丸めてつまらなそうにしていた椿も、鳩護の役目を通して鳩のように飛び立てたように思う。鳩は人の意のままにはならない…人と動物との共存について考えさせられた。2020/11/28

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