出版社内容情報
表の顔は万年青を商う浪人者。実は藩札コンサルが主人公。貧しさ故に最愛の妻と別れた最貧小藩の家老と、藩経済を立て直す!
どの藩の経済も傾いてきた寛延三年、奥脇抄一郎は藩札掛となり藩札の仕組みに開眼。しかし藩札の神様といわれた上司亡き後、飢饉が襲う。上層部の実体金に合わない多額の藩札刷り増し要求を拒否し、藩札の原版を抱え脱藩する。江戸で、表向きは万年青売りの浪人、実はフリーの藩札コンサルタントとなった。教えを乞う各藩との仲介は三百石の旗本・深井藤兵衛。次第に藩経済そのものを、藩札により立て直す方策を考え始めた矢先、最貧小藩からの依頼が。
【著者紹介】
1948年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。経済関係の出版社に18年勤務したのち、フリーライターに。2011年『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞。江戸中期の武士の存在感が希薄になる時代、懸命にもがき生きる人々を描き注目される。新しい時代小説の可能性を、削ぎ落とし、余情に富んだ文体で示した。実は1992年に、本名の影山雄作で第18回中央公論新人賞を受賞し、選考委員の吉行淳之介を唸らせたという実力者。評論家の島内景二氏は青山文平を60歳を超え遅れてきた麒麟児と呼んで期待している。彼が満を持して書き下ろす最新長編。フリーの藩札コンサルタントを主人公に据え、飢饉にあえぐ最貧小藩の経済を如何に、誰も飢え死にせずにすむ藩に作り変えることができるのか? 同士として取り組む貧しい小藩の家老は、その間、鬼となって藩内の改革を実現する。藩札を使って藩経済そのものを根本から立て直す過程が、サスペンスを生む。新しい流通や、事業を取り入れ、突き進む二人の様は現在の日本の閉塞状況で如何にすべきかとも重ねて読めて、興味深い。青山文平にしか描けない斬新な長編時代小説!
内容説明
どの藩の経済も傾いてきた寛延三年、藩札掛となった奥脇抄一郎は命を賭すにたる御勤めと確信。飢饉の際、藩が命ずる実体金に合わない多額の藩札刷り増しを拒み、藩札原版を抱え脱藩。江戸で、表向きは万年青売りの浪人、実はフリーの藩札コンサルタントとなった。各藩との仲介は三百石の旗本・深井藤兵衛。次第に、藩札による藩経済そのものを大本から立て直す仕法に至った矢先、東北の最貧小藩から依頼が…。剣は役に立たない時代、武家が穀潰しでなくなる方策とは?三年で赤貧の小藩に活気ある経済状況をもたらしうるか!
著者等紹介
青山文平[アオヤマブンペイ]
1948年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。経済関係の出版社を経て、フリーライターとなる。2011年、『白樫の樹の下で』で第一八回松本清張賞を受賞、作家デビュー。時代小説作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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