内容説明
李白宛の手紙とは別に、もう一通。玄宗皇帝側近の宦官・高力士が、死の直前に安倍仲麻呂へ書き遺した手紙には、さらなる驚愕の事実が記されていた。その呪いは時を越えて結晶し、順宗皇帝は病床に伏し、瀕死の状態に陥っていた。空海は柳宗元に、呪法の正体を暴くように依頼される。これをもっていよいよ本格的に唐王朝の大事に関わることとなった空海は、橘逸勢や白楽天をはじめとした関係者と、大勢の楽人や料理人を率い、驪山の華清宮へと向かった。そこは、玄宗皇帝と楊貴妃が、かつて愛欲の日々を繰りひろげた場所であった。果たして空海の目的は―?十七年の執筆期間を要した大河伝奇小説、遂に堂々の完結。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県小田原市生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。77年、「カエルの死」で作家デビュー。89年、『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞受賞。98年、『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞
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感想・レビュー
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よむよむ
90
60年前の悲劇は政治的な思惑、拗れた人の心、嫉妬、保身… 大きな渦をまき鬼となり、やがて誰も制御できないものに膨れ上がっていた。因縁に決着をつける為空海が催した宴は、華麗で、でもどこか物悲しくとても印象的でした。異国の人空海がここにいたのは運命だったのだろう。4巻、2000ページ弱の長い長い物語だったがまるで一夜の夢のようにも感じる。足かけ18年もかかって書き上げた著者渾身の一作というのも納得。堪能しました。2018/11/05
NAO
69
大きく広げた風呂敷は、見事に納められた。奇抜な発想とストーリ構成にぐいぐいと引き込まれ、読むスピードがどんどん速くなっていく。でも、このあまりにも奇抜な話の終着点がそれ? という気がしないでもなかった。それに、空海と橘逸勢がどうしても『陰陽師』のイメージとかぶってしまうのがちょっと残念ではあった。もっと違う二人組の設定はできなかったのだろうか。2018/01/21
むっちゃん✿*:・゚
49
[図書館本]あーー終わっちゃった。読み終わってしまった。歴史の授業でサラッとしか知らなかった空海、楊貴妃、その他諸々。映画見なかったら読まなかったであろう本書。読んで良かったぁ。空海がどれ程常人離れした凄い人か、そして人たらしであったか(笑)楊貴妃はどれだけ辛かっただろう。絶世の美女でなければ幸せだったのだろうか。当時の唐がいかに世界の中心で、皇帝の取り巻く世界が残酷であったか。読まなければ知らないままだった。もう読後呆気に取られてます。どこまでが史実なのかわからない。凄く充実した読書が出来た気がする。2018/04/05
assam2005
32
な…長かった。500ページ弱を合計4巻。それでも読み続けてしまう面白さではありました。歴史の舞台から姿を消した後の楊貴妃の謎が次々とあきらかになり、ページを捲る手を止められませんでした。そして、クライマックスはタイトル通り。このシーンを描くためにこの話はできたのかもしれません。そして、どうしても聞きたかった楊貴妃の肉声。…もう十分です。(T^T)空海の本懐を忘れ、楊貴妃の謎に興味を奪われ、ラストは蛇足のような気もしましたが、あとがきを読み、成る程と納得です。2018/03/28
えも
30
最終巻は宴がメイン。憎み合って呪をかけあってる人達が何故か最後はお互いに分かり合って、死人は出るのにホノボノとした大団円でした。空海の自信家なところと逸勢の正直なところが微笑ましい▼でも後書きで作者が自作を誉めるのは止めた方がいいのでは?2018/03/31