内容説明
72歳、ひとりぐらしのおばあちゃんがこっそり始めたないしょのこと、それは…コルデコット賞受賞作家バーバラ・クーニーが豊かな色彩で描いた心あたたまる絵本。5歳から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
143
ひとりぐらしのエマおばあちゃんは、ネコとふたり暮らし。お誕生日に家族が集ってくれてうれしかったけれど、雪が深く降り積もっているし、楽しければ楽しいほど反動が辛くなって、しんと静まりかえった部屋に残された絵に寂しさを感じてしまう。わたしの知っている故郷はこんな感じではなかったのに。そこからエマさんは覚醒する。絵を描いてみようと。やりたいことをやっている人って輝いている。生きがいのある時間は華やかに過ぎていく。時間を惜しんで次から次へと作品を生み出して、楽しくて仕方なくなって、大切な思い出が積み重なっていく。2025/02/24
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
44
72歳のエマおばあちゃん。「すきなのは、かざらないことばかり」生きがいがある、趣味がある人生は理想ですね。理想の老後でした。2022/05/19
chiaki
44
バーバラ・クーニーの絵に惹かれて。かぼちゃのたね(しましまの猫)と2人、質素に暮らすエマおばあちゃんは「かわいそうなおばあちゃん」と孫子どもから言われている。そんなエマおばあちゃんの72歳の誕生日を祝ってプレゼントされた「ふるさとのちいさな村の絵」。でもその絵は、エマおばあちゃんのふるさととはまるで違っていて…。生きがい一つあるだけで、人生は豊かに彩られる。エマおばあちゃんも、もう「かわいそう」だなんて言われないだろうな♡『ルピナスさん』とあわせて、静かだけど力強さを感じる。2021/03/16
gtn
38
ふとしたことから、おばあちゃんの思い出が形になる。それが多くの人の目に触れ、心を豊かにさせる。たまたま独創性に富んでいたそれらは、人々を感動させる使命を帯び、後世に残る。このまま同じ毎日を繰り返し、生を終えていても不思議ではなかったおばあちゃん。どんな人も、こんな風景を心の引き出しに仕舞っている。2020/12/07
anne@灯れ松明の火
36
読友さんご紹介で予約。72歳のエマおばあちゃんは、猫と暮らしている。誕生日には、子、孫、ひ孫が集まるが、ゆっくりせず帰ってしまう。プレゼントにもらった故郷の絵を見ているうちに……。ちょっと寂しい老後かと思ったが、もともと大切にしているものがあり、さらに素晴らしい趣味を見つけることになる。エマおばあちゃん、充実した日々、良かったね。絵:バーバラ・クーニー、訳:もきかずこ2022/05/23