内容説明
秋になったばかりのある日、みずうみのほとりの小さな森に、いっぴきの若いきつねがやってきました。きつねは、これから住む場所をさがしているのです。小さな森の動物たちは、つかれていたきつねを親切にたすけてあげました。でもきつねは、「こんな小さな森はたいくつだ」と思いました。みずうみのむこうに見えている、あの大きな森にいけば、きっとわくわくするようなことがまっているんだ。でもどうやってみずうみをわたったらいいんだろう…。すると、小さなのねずみが、ふしぎなことをいいました。「あと二かい、お月さまがまんまるになったら、きっといけるよ」そして…?やんちゃなきつねと、ものしずかなのねずみの友情を、あたたかく描いたやさしいお話です。小学校低・中学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
17
ひどいいたずらばかりして、助けてくれたみんなを困らせてばかりの若いきつね。自分勝手でいばりん坊で、ちょっと意地悪。なのに、のねずみとの友情をだいじに思っていることがわかる行いに、どうしようもなくチャーミングな心根を感じてしまう。きつねとのねずみの会話の潜めた熱も心地いい。きつね、案外、いいや、すごくいい奴じゃないか。2016/02/11
のこ
14
湖のほとりに、一匹の若いきつねが倒れていました。森の動物たちは親切に看病しますが、元気になったきつねはいたずらしてばかり。やがてきつねは、湖の向こうにある森へ行ってみたいと思うようになりますが…。■きつねとのねずみの友情話。読んでて佐野洋子さんの『ふつうのくま』を思い出しました。■最後、のねずみがきつねの毛をめちゃくちゃに引っ張って怒った時。じっとがまんするきつねに、すごくじんときました。このときのきつねの挿画。表情がなんとも言えない。■「たいくつ病」って物語の中だけのものじゃないと思う。他人事じゃない。2014/03/17
おはなし会 芽ぶっく
12
教育出版国語 3年生 【平成27年度教科書掲載本 令和2年度教科書掲載本】 ある日森にキツネがやってきて、いたずらばかりする。困りながらも温かく見守る森の動物たち。キツネとネズミの奇妙でほのぼのするおはなしが温かい。2019/02/18
舟江
10
いたずらっ子のキツネ君、その友達のネズミ君と村人(?)達、村を隔てる大きな湖と見えない対岸の森。すべて材料が揃っている。2016/08/01
sachiyo🐮牛乳
9
動物たちのやさしいやりとりに心があたたまります。きつねくんの心情の変化に感動。2022/12/03