内容説明
私は栗林晴美。どちらかというと無気力な今時の女子高生。私立秀青高校で何となく気になっていたサッカー部のマネージャーになったのは、インドア男の兄貴の生半可な知識が災いした。二年になって同じクラスの島本梓に誘われて、参考意見を述べたら、まんまと担ぎ上げられて、マネージャーになってしまったのだ。そして五月下旬のある日サッカー部のエースフォワードのリョーこと不破了介がインターハイを前にして失踪するという事件が起こったのだ。リョーはサッカー部の練習グラウンドのごく近くで発見された。あろうことか、リョーは血まみれになって死んでいた。どうも自殺の線はなさそうということで、軽音楽部の桑折君があの人に相談しようという。そうあの人とは用務員の各務原氏だった。
著者等紹介
氷川透[ヒカワトオル]
横浜生まれ。東京大学文学部卒。『真っ暗な夜明け』で第十五回メフィスト賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
74
【各務原氏シリーズ】第2弾。今回は暮林晴海高校2年生、サッカー部マネージャーが語り手となる。エースフォワードの不破が、大会を前に行方不明となり、頸動脈を切られた血まみれの状態で発見される。たまたま一緒に居た前作の語り手桑折は、またまた各務原氏を頼る事に。しかし、さらにサッカー部期待の1年生が殺害される。前作よりも、学園物語としての軽妙さが増した様だ。トリックよりも犯人を特定するためのロジックを楽しむ物語で、「だから犯人はあなたしか居ない」へと展開する。多少屁理屈っぽく感じるが、ブラウン神父感は増した様だ。2021/12/08
へくとぱすかる
22
前作よりもよかったと思う。タイトルになっている割には、各務原氏の活躍はそれほど目だたない。というのも、語り手の暮林さん目線の文章なので、解決を披露する語りがかなりの常識外れの論理であることとあいまって、探偵としては影がうすいようだ。このへんもブラウン神父的なのだろう。真相にいたるまでの論理で長編を成立させているという感じだ。学園ミステリとして読めば、直球ストレートという印象。サッカー部という体育系の世界を中心にしているせいだろう。これが文化系、生徒会などがからんだ話なら、もっと屈折していたかも。2015/02/05
水生クレイモア
5
氷川透さん初読了。事件そのものより背景となるサッカー部の青春小説部分に重点が置かれているように思う。犯人特定までのロジカルさが対照的。2020/09/11
博愛
1
一作目の100倍はよい、つまり50点くらいはある2017/07/17
東晃
1
前作の方がわかりやすい…かな。こっちのが好きですが。苦い苦い 星三つ2011/08/27