Tokuma novels<br> ハーメルンに哭く笛

Tokuma novels
ハーメルンに哭く笛

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  • サイズ 新書判/ページ数 411p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784198504182
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

上野下町界隈から、児童三十名が忽然と姿を消した。翌日、未曾有の激しい雨と雷が帝都を襲った。台風の翌日、朝焼けの中、天王寺の僧侶・寛永は人気のない寺の裏手の墓地へ向かっていた。ほかの新米僧侶とともに、墓地の草刈りをいいつけられたのだ。汗だくになり、草刈りを続ける寛永の目の前に、お地蔵様の影がよぎった。こんな墓地の中にお地蔵様があったっけ。不思議に思い進むと、また一体、目を凝らした寛永は、黒っぽい霧と見えたものが、蝿の大群であることに気づいた。これは…子どもの死体だ。怪異な事件の始まりだった。帝都を襲う悪夢の事件。驚愕の新本格推理傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるま

11
マイブームのハーメルンの第7弾 初読作家 原作の事件を題材にはしてますが、全くの異質のミステリー?いやホラー要素たっぷりの物語 朱雀15のシリーズ作品とのこと いやぁ 僕にはちょっと苦手だったです ページが2段構成で、びっしりと活字があったので正直読み終えるまでに、ちょっと時間がかかってしまったのはあるが、終盤の謎解きも充分に消化されなかった グロイ表現や関東大震災時の◯◯ア虐殺、そして惨殺な場面を読み進めるのは、なかなか気が重かった これでハーメルン祭りに終止符をうつのもなんかやだなぁと読後思いました 2020/08/01

makersat

11
中々に重い内容だった。例の虐殺や部隊がどうこうではなく、根底にある差別感情や嗜虐性が…… かの出来事が事実か否かとネットや書籍などで論争はあるようだが、本書で提起すべきはそんなことでは全くない。人間(日本人に限定されない)の集合無意識に潜む負の側面が齎す残虐性について、大いに考えさせられる。あるいはイドの魔人であり、あるいはハーメルンの笛吹き男である、人間が持つ性悪さは確かに存在してしまっている。そういった形ない悪意とでも呼ぶべきモノについて、改めて考えさせられる作品だ。それはともかく柏木×マリ子押し。2015/08/17

藤月はな(灯れ松明の火)

10
「イドの怪物を誰しも持っている」と言う朱雀さんの言葉にはっと胸を突かれるものがあり、人が行ってきたことに思いを馳せてすごく、悲しい無力感を感じました。しかし、主人公の言動はかえって事件を悪化させているような気がしますし、出会った女性に自分の好きだった女性を重ね合わせるなんて如何にも男性の女性から見ると得手勝手な理想主義だと思い、なんだか好きになれません。むしろ、S心がなぜか刺激されます。2010/08/19

shiaruvy

6
【2000.03.31 7刷】 お供本読んでしまったので,出張帰りの時間押しているなか空港本屋で買った。 うぅ~合わないのでずるっと早読みして寝た。 2017/08/15

アキ

6
いったいどうやって収束させるのか不安でしたが、重い内容ながらハーメルンの笛吹き男やタロットの話が興味深かった。集団心理が間違った方向に向かえば簡単に狂気に変貌するってことが恐ろしい。朱雀がよかったので他のも読んでみよう。2011/01/15

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