内容説明
「私の最も大切な財産は石神探偵事務所の狩野俊介君にゆだねるものとする。猫を追い払うより皿を引くべきであった」―俊介の愛猫ジャンヌを通して親しくなった元市長・滝之水老人が、息をひきとる際、弁護士に託した遺言だった。真っ白な便箋に象形風に書かれた不可解な文字は、遺言であると同時に、その意味を解けとの探偵俊介への依頼だという。老人の娘婿・高山代議士から「大切な財産」を渡せと居丈高に要求された俊介は、それに反発し、長兄の娘、梨花とともに遺言の謎に迫る。会心の本格推理シリーズ新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Penguin
12
短編集２作目。今回は授業になぞらえて進む物語。月光亭事件や夜叉沼事件の前後に関わった人の話しもあり、違う見方から楽しめる。2011/12/31
まりもん
4
短編集で俊介の学校の様子がわかった2008/06/06
ライムとザクロ
3
シリーズ第２短編集、第６作。そもそも平易な文章で、登場人物の大方が非常にいい人なこの作品には、殺人事件を深刻な様子で追いかけるというのが不釣り合いな印象なので、短編集で人の死なない、いわゆるスケールの小さいミステリはちょうどいい感じ。 5点/102011/02/02
nemuro
2
そもそもは、創元推理文庫での「狩野俊介シリーズ」を購入しようかと思っていたところ、図書館でノベル版を見つけ、借りてみたものですが、一時間目から四時間目まで、優しい感じの「時間割」でした。本書は「１９９４年５月３１日 初刷」。１０数年を経過しての文庫版は、時代背景など、多少、加筆・修正されているのかもしれませんが、案外、「当時のまま」っていうのも時代の違いが分かったり、変らぬ普遍的なものが感じられたりで、好きなのですが、果たしてどうでしょうか。2010/06/27
朝霧玲一
1
再読。短編集ですが、時間割に関連付けてるタイトルが面白いですね。梨花さんはここが初出だったか。 音楽の回は、珍しく俊介君と野上さんがぶつかってます。 こういうのも新鮮ですね。2021/11/25
