内容説明
売り出し中の新人歌手・結城ちひろが誘拐された。大手カメラメーカー、ゼネラル・フィルムの新製品『パチリコ』の宣伝に起用し、CMソングとなる新曲とともに大々的な宣伝作戦を繰り広げようとした矢先だった。事件は商品のイメージダウンになると、だれもがちひろの起用に反対したが、ディレクターの長谷川宇一は、逆に事件を宣伝に利用しようと考える―。乱歩賞受賞の新鋭コンビが放つ長篇ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タッキー
12
『99%の殺人』ではITを使った殺人、『クラインの壷』ではVRなど、時代を先取りする作品を出してきた岡嶋二人だけに今回は何か?と期待して読んだ一冊。得意の誘拐事件を軸に、今回は広告や報道がテーマ。あまり誰が犯人かというより、トリックに主眼を置いているように思いました。相変わらず読みやすく、また今回は抜群とまではいきませんが、安定の出来栄えでした。2018/07/29
詩界 -うたか-
4
#読了 警察にタレコミが入った。タレントである結城ちひろを誘拐する、と――。嘘か真か警察はテレビ局へと向かうことになる。テレビ局では入念なリハーサルが行われていたが……◆めちゃくちゃ面白かった。広告代理店と事務所…誘拐後の展開もこの先どうなっていくんだろうってワクワクしながら読んでいました。あとこの時代のフォントも好きすぎる。解決した瞬間まで、一つ一つが緻密に作られていて、最後までずっと楽しめました。2019/11/29
カトさん
0
久しぶりの再読。 当時はトリックが鮮やかで、ワクワクした憶えがあるのだが……そんなでもなかった。 馬モノ2作も思っていたオチと違い……あら?て感じました。 未だに講談社は文庫で前作販売しているのは、喜ばしいと云うか、驚き桃の木たま⚪️こうじ なのである。2017/04/13
蠅取り紙
0
△2015/08/12
hirayama46
0
岡嶋二人得意の誘拐もの。今作はそれにマスコミ・広告業界の権謀術数が混ざり込みなかなか厄介な事件になっておりますが、それをさらっと整理して差し出す手さばきはさすがに上手いです。2013/04/21