内容説明
行商から政商まで、近世を生き抜いた商人(あきんど)列伝。
目次
序章 商人事はじめ
第1章 大阪商人
第2章 近江商人
第3章 伊勢商人
第4章 その他の商人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koji
19
ついこの間父から贈られた本です。父は87歳になりました。この本は35年前に買ったようです。会社人生の終盤を迎え、初めて関西勤務となり悪戦苦闘している時だったようです。今、息子が同じように会社人生終盤で初めて関西勤務になりました。父と息子が似たような道を歩んでいる嬉しさと人生の先輩としての叱咤をもって、そっと贈ってくれました。父の持論は人を大切にすること。父の言いたかったこと。それは大阪商人の最後に登場する住友の伊庭貞剛(別子銅山の大争議をおさめ、人の和を取り戻した人)のように会社人生を終えること。感謝2017/09/03
大阪魂
16
勉強になった!大阪、近江、伊勢がなぜ大商人を輩出したのか!それは①水運・陸運にむちゃくちゃ恵まれたこと、②まわりで特産品を作ってたこと、③世の中を見通しながらも堅実な経営を家訓として守ってきたこと、そして④人を大事にしたこと。住友が明治の激動期に広瀬宰平という力の人、伊庭貞剛という心の人をえて現在の発展につながったなんかはいい例。鴻池、淀屋、伊藤忠などなど、この本は歴史もビジネスのお手本もてんこ盛り。また読も!2017/10/15
RYU
2
日本の三大商人として、大阪商人、近江商人、伊勢商人を紹介。江戸時代、武士は、士農工商で最下位に位置付けられた商人から税金を取り立てることを卑しいものとして、取り立てなかった。これにより商人が財を積み、町人文化が花開く。大阪商人は、物資の集散地である大阪と、最大の消費地である江戸の間の流通経済を担い、運送、両替などの新しいビジネスを興した。近江商人は産物廻しとも呼ばれる手法で北海道をはじめ全国に展開。伊勢商人は、近江商人を起源として江戸に進出、江戸の商業界を牛耳った。1982年 日本経済新聞社刊。2014/08/30
月光密造者
0
江戸期の商人の生涯を紹介する本は珍しい。資料としての価値は高いと思う。個人的には、後の大企業への流れをもっと詳しく知りたかった。2011/08/14
22octobre
0
近江商人がその地理的優位性を生かして情報と産物を回し、全国各地に構えた拠点を近江からマネジメントしていたことは興味深い。彼らは必要に迫られそのスタイルに行き着いたが、いまの我々はどうなんだろう。 「したいこと」「できること」「しなくてはならないこと」がビジネスにはあるが、「せざるを得ないこと」も企業活動の本質に迫るものだと思う。生き残るために、恰好なんてつけていられない。2012/02/22