内容説明
戦艦大和の悲劇は、その最期よりも最強戦艦としての能力を十分に発揮できる機会に恵まれなかったことではないだろうか。「大和ホテル」と揶揄されたのは、彼女の本意とするところではなかったであろう。もしも帝国海軍司令部が果断にも、大和を夜戦に投入していたら。また、戦略的に疑問のあったMI作戦を中止していたら。書き下し短篇「戦艦〈フリードリヒ〉ヲ撃沈セヨ」も収録した待望の第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
10
93年10月購入品の再読。イフを重ねた爽快な仮想戦記のネタ。無理があるけど、今もなお面白かった。しおり代わりに雪玉を転がしている息子の写真が入ってたよ。「カーターよりデジャー・ソリス」という呼び出し符丁など、当時の若い佐藤大輔の熱気が伝わってきます。それで勝って日本はどうなるのかという疑問はあるけど、こんな未来もあり得ると考えるのは楽しいね。さすが、 #大サトー2017/06/23
こぼこぼ
2
前作とはちょっと趣を変えて,ポート・モレスビー攻略成功以降,幾つかのIFを重ねながら一つの仮想戦史を描く。最後にゲームブック的な三択有り。ここでも福田定一大佐が活躍だ-!(知波単脳)おまけのRSBC外伝が読ませる。2015/12/08
権三郎
1
1993年発行。日本帝国は計画なし、目的なしで戦争を始めた。もし戦争目的を単一にして、持てる戦力を集中していたら・・・? RSBC外伝が一編収録されている。 2017/06/10
はばたくキツネ
1
最初期の著作ということでまだまだ文章が練られていない感じでいまひとつ。登場人物の会話もどこか漫画的で違和感がある。が、『RSBC』や『征途』に繋がって行く歴史構築の萌芽が見て取れるのは面白い。巻末収録の『<レッドサン・ブラッククロス>外伝』は書かれた時期が他のものに比べて後だからか、幾分佐藤大輔らしさが出ている。2012/02/20