内容説明
地球教徒の陰謀によって、ヤン・ウェンリーは不帰の人となった…。否応なく、彼の遺髪を継ぐ立場になったユリアン・ミンツは、魔術師の死に涙する暇を許されなかった。一方、畏敬すべき宿敵を失った深沈の皇帝ラインハルトは、けだるい発熱に悩まされていた。忠臣たちは、またぞろ皇妃の話題を口にしはじめ、帝国は束の間の憂愁につつまれている。だが、惑星ハイネセンには新領土総督府高等参事官に昇ったヨブ・トリューニヒトが赴任した。「祖国を枯死させたやどりぎめが」とロイエンタールの金銀妖瞳が冷たく光る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
58
なんというかもう…喪失感半端ないな…。正直最初の巻以外ずっと哀しみの歴史を刻んでいる気がする。死んで初めて英雄になれるというのか。英雄、そう呼ばれる技量がある者だからこそ生き急いでしまうのか。どちらにしても英雄達への鎮魂歌が物語を紡いでいるのは間違いない。本作でもまた、重要な人物を失ってしまった。一般庶民だろうと、戦争に出る軍人だろうと、死に場所やその死自体に相応しいものなどないと思っている。しかし死に様だけは選んでもいい。選ぶべきだと、彼の死に逝く様をみて強く感じた。次は最終巻。喪失に耐えられるか、私。2022/07/11
geshi
26
地球教の陰謀により叛逆へと追い込まれたロイエンタールvsミッターマイヤーの双璧の戦い。ヒルダに対する不器用なラインハルトの求婚には、あれほど有能な将が一人の人間としては抜けているのを見て頬が緩む。言葉で誤解を解かず、流されながらも至高の冠へ手を伸ばしたロイエンタールは、どこまでも己を貫いたのだろう。だからこそ最期の言葉「遅いじゃないかミッターマイヤー」が泣ける。前巻に続く重要登場人物の死と対比するような受け継がれていく新たな生の印象が深い。2018/03/26
Mitsuru Umeda
16
学生時代に読んだものの再読。 なにかとロイエンタールとミッターマイヤーの対決が取り沙汰される第9巻。 だがこの巻はそれよりも、ラインハルトが結婚前からヤルことをヤッて、しかもホールインワンを決めた巻として記憶されるべきw それにしても、朝帰りしてきた娘について 「しかし、あのふたり、うまくやれたのだろうか・・・」 と独りごちてしまう父親って、いったい(笑 2019/01/20
さとまる
12
再読。ヤン亡き後もローエングラム王朝とイゼルローンのイレギュラーズの物語は続く。。中盤から仄めかされていたロイエンタールの叛乱がついに勃発。自らのプライドのために弁明を拒んで叛乱首謀者となったロイエンタールとそれを鎮圧するミッターマイヤーの親友同士の争いが悲しい。ラインハルトとヒルダの件は結果だけは覚えていたけど過程はわすれてたな……。2024/11/11
ざるめ
12
ヤン亡き後、ユリアン頑張ってる!(^-^)そしてミッターマイヤーの時より面白い…いや初々しいラインハルトのプロポーズ(*^^*)でもその後、帝国軍の双璧が…(T-T)本当に地球教って嫌!(`□´)2018/08/30