内容説明
マル・アデッタ星域会戦によって、皇帝ラインハルトはイゼルローン要塞を失陥した。「してやられたか、またしてもあの男に!」。自由惑星同盟軍のヤン・ウェンリーの奇略にしてやられたのだった。宇宙暦800年、新帝国暦002年の4月2日夜、ラインハルトはふたたびイゼルローン回廊へ征服の一歩を踏み出した。すでにメックリンガー提督は麾下の艦隊を率いて布陣し、ヤン一党の背後を扼している。回廊の前後には壮大な包囲の網が完成していた。両軍とも胸中に最終決戦の炎を燃していた。気宇壮大に描く書下し第8巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
57
戦争だから覚悟して、予想も想定もしていた。だからある程度の悲劇も驚きも取り乱すほどの衝撃は有り得ないと思っていた。思っていたのに…えっ?嘘でしょ??と絶句…放心…。正直何秒か心臓止まったと思う。今年一番の驚愕と言っても大袈裟じゃない。シリーズ半ばの8巻、わたし史上最も動揺した8巻だった。これ、そういうことじゃなかったの?と読んだことない方には意味不明な言葉を発してしまうけれど、敢えて繰り返す。そういうことじゃなかったの?…この後の話を読むことに恐怖を覚えさせるほど狂乱の一冊。どう転んでも悲劇しか見えない。2022/06/27
MAEDA Toshiyuki まちかど読書会
25
8巻再読終わりました。イゼルローンを去るムライ参謀長と残るメルカッツ提督が良い。二人とも言葉少ないけどビシビシ伝わるものがあります。最終章の八月政府の樹立を宣言するフレデリカ・G・ヤンが健気すぎる^_^2019/06/16
MAEDA Toshiyuki まちかど読書会
22
「タイミングといい、柔軟性といい、完璧なまでの艦隊運動は、フィッシャー中将の苦心の結果であった」名人芸とか職人技という言葉が好きな私はヤン艦隊ではフィッシャー中将が一番好きです。2019/06/15
Mitsuru Umeda
13
学生時代に読んだものの再読。ヤンの理不尽な最期があまりにもあっけなさすぎて・・・そして・・・自分の想っていた(というか確信していた)ヤンの穏やかな最期を語るフレデリカがあまりにも悲しすぎて。 このシーンがあまりにも強烈すぎるので「戦いに至るまでの戦略戦術の駆け引き」であるとか「イゼルローン攻防戦の艦隊運用の妙」であるとか、実は作者の真骨頂である描写の印象が消し飛んでしまう。悲しみの第8巻。2019/01/17
ざるめ
10
魔術師、還らず(ToT)銀英伝の主役級の人たちって戦場では死なないよね(--;)2018/07/20