出版社内容情報
父である「本所のへいぞう」を探すために、京から下ってきた女絵師。果たして、この女は平蔵の娘なのか。まったく新しい鬼平の貌。
逢坂 剛[オウサカ ゴウ]
内容説明
人前には自らの顔を決して見せない火付盗賊改の頭領、長谷川平蔵。オランダ渡りの秘薬の謎を探り、盗賊を率いる父娘を追う。ある日、自分の父であるという“本所のへいぞう”が訪ね、京から若い女絵師が下って来た…。ハードボイルドの調べに乗せて描く、逢坂版平蔵シリーズ第二弾!吉川英治文学賞受賞作。
著者等紹介
逢坂剛[オウサカゴウ]
1943年、東京都生まれ。中央大学法学部卒業後、博報堂に入社。80年、『暗殺者グラナダに死す』で第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞。87年、『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞を受賞。97年より執筆に専念。2013年、第17回日本ミステリー文学大賞を受賞。15年、『平蔵狩り』で第49回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
53
本家鬼平の持つ人間ドラマが少し希薄に感じられるのは、本家よりミステリー要素が濃いせいか?それとも作品が積み重ねられていくにつれて登場人物に深みが備わっていくと云うことなのか?どうであれ比べてしまうのは悪い癖で十二分に楽しませて貰っているので否と云う訳ではない。『平蔵の首』『平蔵狩り』と来たので、次は『平蔵族』(笑)2020/04/24
ALATA
25
火盗改、第二集。今作も時代劇版ハードボイルド、ミステリー要素もあって楽しめました。おりん、美於、俵井小源太が活躍する「寄場の女」、ミステリー仕立ての「刀の錆」が好み。けっして顔を見せない火付盗賊改、「平蔵狩り」での押し問答も練られていてなかなか。★5※押収したマンドロガ、手先への駄賃か?いつの時代もやりくりたいへんですな・・2021/08/22
ドナルド@灯れ松明の火
22
3作目の「闇の平蔵」を先に読んでしまったので2作目をあわてて読了。逢坂平蔵に慣れたのか、1作目よりも読み易かった。今作で顔を出さない平蔵のキャラが確定したようだ。謎解きと捕物がいい塩梅に描かれ新たな平蔵物として確立されたと思う。女性の手先の描き方がうまい。これが3作目の可久につながるのかな。文庫巻末の対談は味わいがあった。鬼平好きにはお薦め2017/03/16
miicha
16
池波版ほどキャラに愛着ないのにハラハラして読めるのでやはりお上手なのだなぁ。どのお話もオチが予想できず面白かったです。2020/08/23
HaruNuevo
9
逢坂剛版鬼平第二弾。すごいなと思うのは、池波正太郎の鬼平犯科帳とは異なる人物造形、物語の筋立てで独自の火盗改の活躍を描きながらも、池波正太郎の作り出した長谷川平蔵のイメージを全く損なうことがない、ということかな。2023/08/23