文春文庫<br> 街場のアメリカ論

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文春文庫
街場のアメリカ論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167773687
  • NDC分類 302.53
  • Cコード C0195

出版社内容情報

ペリー以来150年、日本はなぜアメリカを「欲望」してきたのか。歴史学と系譜学から見た日米関係。コミック、犯罪から読みとく病理とは。

内容説明

私たちが「アメリカの圧倒的な力」と思いなしているものの一部は明らかに私たちが作り出した仮象である―誰ひとりアメリカ問題の専門家がいない大学院の演習での内田氏の講義と聴講生たちとの対話をベースに、日米関係、ファースト・フード、戦争経験、児童虐待、キリスト教などからアメリカを読み解く画期的な論考。

目次

歴史学と系譜学―日米関係の話
ジャンクで何か問題でも?―ファースト・フード
哀しみのスーパースター―アメリカン・コミック
上が変でも大丈夫―アメリカの統治システム
成功の蹉跌―戦争経験の話
子供嫌いの文化―児童虐待の話
コピーキャッツ―シリアル・キラーの話
アメリカン・ボディ―アメリカ人の身体と性
福音の呪い―キリスト教の話
メンバーズ・オンリー―社会関係資本の話
涙の訴訟社会―裁判の話

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程中退。現在、神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。2007年『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞を受賞。『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

38
「実は真理をついているトンデモUSA本」といえば町山智浩さんですが、これはその内田さん版。より理屈っぽく米国の本質を暴く論調です。壊滅的な敗戦をしたが故に、知らず知らずのうちに対米という視点では思考停止に陥ってしまっている日本および自分を再認識しました。また、20代で「アメリカにおけるデモクラシーについて」を著したトックビルの先見性についても納得。今年は、改めて内田さんの本を集中的に読んでみたいと思います。2016/01/05

友和

24
まったく古びていない内田さんのアメリカ論。肥満も格差社会の抗議のひとつという論に、なるほどと思いました。2014/12/29

高橋 橘苑

23
おそらく今後も長く読み継がれるであろう、非常に本質的で、独創的なアメリカ論だと感じた。例えば、第3章・哀しみのスーパースターでは、アメコミ映画こそは「アメリカの無意識」を表明していると指摘し、アメリカ人の本音が「ヒーローに少しは感謝したらどうかね、キミたち」であるという語り口には、納得を通り越して笑ってしまった。ただ、日本人は徹底的に負けたために、アメリカに対し「まっすぐに見つめる」というリアリストの知性を持つことが出来なかった、との見解には疑問。安部公房なら、もっと凄いアメリカ論を出していたのになぁ…。2017/02/22

taku

21
アメリカという国をよく知っているわけじゃない。でもこのアメリカ論には納得させられてしまうことも多かった。アメリカの歴史や政治、文化など、そのねじれや病識についても、平易で堅苦しくない語りが面白い。日本とアメリカの関係、従者の呪いか。そうなのかもね。第1章「歴史学と系譜学」での考え方、捉え方は参考になった。他の著書も読んでみたいね。2016/06/06

tokko

21
アメリカといえばすばらしい文学作品を生んだ国だし(本棚にはたくさんアメリカ人作家の本が並んでいる)、音楽や映画だってアメリカ生まれのものを愛好している。アメリカ人の知人だって愛すべき人間性を備えた人だし、非常に優れた文化的基盤を持った国だということも知っている。でも僕はアメリカという国を単純に好きにはなれない。個々の「アメリカ」は好きなのに、総体としての「アメリカ」には好感情を持てない。なぜだろう?その問いを考えるきっかけとして、この本は大いに役立ちました。2016/03/03

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