文春文庫<br> ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖

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文春文庫
ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167735043
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

名代の茶道具屋の愛娘だったゆずは店の奉公人だった真之介と出奔、幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営んでいる。二人にわかるのは道具のことだけ。でもその「見立て」力で、龍馬や桂小五郎らと渡り合い、動乱の京を生き抜いていく。若い夫婦の成長を軸に、京商人の心意気を描いた大人気シリーズ第2弾。

著者等紹介

山本兼一[ヤマモトケンイチ]
1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞佳作。2004年『火天の城』で第11回松本清張賞を受賞。09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

113
とびきり屋見立て帖・シリーズ第二弾。駆け落ち夫婦の若い二人。今巻もほんのり心温まる姿を存分に見せてくれる。まだまだ完全ではないが道具屋として一生懸命商売日励む夫・真之介を妻・ゆずが全面的に信頼する姿がなんとも微笑ましい。幕末を舞台とする夫婦ものだが、ここに描かれる夫婦像は夫唱婦随ではない。妻・ゆずは夫・真之介が奉公していた大店のお嬢さんであり、もともと活発で自立した娘だ。道具に対する目利きは真之介より上である。そのゆずが夫を立て、助けようとする。つまりは惚れているのだが、なんともかわいい。 2016/05/31

とし

104
とびきり屋見立て帖「ええもんひとつ」2巻。騒然とする京都・幕末に道具屋「とびきり屋」を営んでいる真之介とゆず夫婦。古高 俊太郎が桝屋喜右衛門で、桂小五郎・幾松まで登場、芹沢鴨を手玉に取ったり取られたりの駆け引き京商人の心意気ですか、面白いです、池田屋事件は翌年ですが、とびきり屋さん、三条木屋町池田屋とすぐそこですがどんな絡みになるのでしょう。次巻が楽しみ。2014/09/25

じいじ

70
骨董商「とびきり屋」シリーズ第二段。駆落ち夫婦の商売も何とか順調のようです。若女将のゆずには、これからの日本がどういう世の中になるのか?まったく想像がつきませんが、現状に満足しないでひた向きに「商い」にヤル気を見せるこの若い夫婦には頭が下がります。若いがために、ときには脱線しそうになりますが、坂本龍馬、桂小五郎たち…そうそうな面々がバックについているので大丈夫でしょう。2024/03/19

ユメ

37
真之介とゆずは枡屋に頼まれて桂小五郎を匿う手助けをすることになる。だが、「とびきり屋」には芹沢を筆頭に新選組も出入りしているわけで、この店にこの先いったいどんな波瀾が訪れるのかとはらはらし通しだ。でも、真之介もゆずも、世の中がどう転ぼうが逞しく生きていく京商人のしたたかさをしっかり備えているので、きっとどんな難局も二人で切り抜けていくのだろうという安心感もある。殊に、男たちが起こす幕末の騒乱なんて馬鹿馬鹿しい、家族揃って平和に暮らしていくことが第一だと信じてやまないゆずからは、女の強さが感じられた。2018/12/13

さと

35
道具屋 とびきり屋を舞台に繰り広げられる心温まる短編6話真之介とゆずの人情溢れるやりとりに懐かしさを覚えながら京の市井にタイムスリップ。「一番ええもんを一つだけ買う」私もかくありたい。解説にあった、骨董は元来秘蔵するもの、人から人へ渡り歩き、その腕に抱かれてこそ。美術館に収まったら終わりというくだりは、無知な私への一喝にも聞こえた。2014/08/09

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