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文春文庫
いっしん虎徹

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  • サイズ 文庫判/ページ数 508p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167735029
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

伝説の刀鍛冶・虎徹には壮大な夢があった。己を超える刀を鍛えるべく、命を懸けた男の一代記。時代小説の新分野を切り開く野心作。

内容説明

越前から重病の妻と共に江戸へと向かった鍛冶の秘めたる決意。それは、「己が作った兜を、一刀のもとに叩き切る刀を鍛える」という途方もないものだった。後に彼の刀を、数多の大名、武士が競って所望したという、伝説の刀鍛冶、長曽祢興里こと虎徹の、鉄と共に歩み、己の道を貫いた炎の生涯を描く傑作長編。

著者等紹介

山本兼一[ヤマモトケンイチ]
1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞を受賞。2004年『火天の城』で松本清張賞を受賞。09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

100
江戸初期の伝説の刀鍛冶・虎徹。鉄と共に歩み、己の信念を貫いたその半生。山本氏の「清磨」を読み同じ刀鍛冶の話があるのを知り、引き続いて読みました。いや、実に良かった。ただひたすらに名刀の凛冽な姿を想い、潤いのある地金を望み、たおやかな刀文を願う。その一事に自分の生涯のすべてを費やした男の物語。男は志に生き、矜持に死ぬ。それを地でいく人生だったと思います。そんな虎徹を脇から支える妻ゆきの姿もまたいじらしい。秀吉や信長のような戦国の英傑も良いですが、こうした人材に光を当てるのも上手いと思いました。★★★★★2014/06/21

文庫フリーク@灯れ松明の火

58
『志に生き、矜持に死す』 新選組局長・近藤勇の愛刀として知られる虎徹。甲冑(かっちゅう)鍛冶から刀鍛冶を志し、出雲のたたら場(製鉄所)を訪れし時はすでに三十六歳。素材たる鉄へのこだわりから職人の眼で、人夫としてたたら場に臨む。砂鉄含みの土を堀り灼熱の溶鉱炉へ炭を運ぶ。前半およそ70ページを費やす江戸初期の製鉄・たたら場の描写だけでも一読の価値。 江戸で鍛えし自信の一刀。試刀家にして罪人斬首人・山野加右衛門との、文字通り首を賭けた勝負に敗れ、生まれ変った興里に授けられた法名〔一心日躰居士 入道虎徹〕 →続く2011/02/12

バイクやろうpart2

39
『花鳥の夢』、『火天の城』に続く山本兼一さん3作目です。絵師、棟梁、そして刀鍛冶‼︎ と凄まじい職人の生き様を知り得たことに感謝です。山本兼一さんの小説を読み終えると、何時も活力を戴いている気がします。そして、下手が良い!何故か?いい響きです。磊落に笑う!使ったこと無いですが、いい言葉です。 では4冊目 楽しみです。 2017/07/13

佳乃

37
名刀、「虎徹」が出来るまで、なんと自惚れが強く傲慢だったことか。それが、ページを捲るたびに変わる彼に心から惹かれてしまった。また、妻のゆきがいたからこその彼だろう。曇りのない心で、一心に鉄を打ち自分の心が映し出される刀。観るもの持つ者の心を惹きつけてならない刀。邪心のないことはやっぱりいいなぁ。胸がいっぱいになってしまった。2017/12/11

西君04

29
刀鍛冶の努力の生涯を描いた。虎徹の名の由来、そこまでの道のりは平坦ではなかった。兜鍛冶から刀鍛冶へ、兜で成功しているにもかかわらず、病気の妻ゆきと助け合いながら、新たな頂を目指す。山本兼一氏の作品はどれも歴史の主人公に隠れる職人たちをピックアップし、一人の人間の生き様を描き、見事に昇華させている。天才とは違うが、その才能を最高点までに引き上げる努力の人。一度刀鍛冶の現場を見たくなります。2022/06/22

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