文春文庫<br> 森は海の恋人

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文春文庫
森は海の恋人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717049
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

豊かな汽水域の恵みは森があってこそ生まれる―ダム開発と森林破壊で沿岸の海の荒廃が急速に進んだ1980年代、おいしい牡蛎を育てるために一人の漁民が山に木を植え始めた。漁師だからこそ見出し得た森と海の真のつながりとは!?「森は海の恋人」運動の火付け役となったみずみずしい一作がついに文庫化。

目次

第1章 森と海・初めての出逢い
第2章 汽水域の生き物たち
第3章 天国のような海
第4章 海から森へ
第5章 森は海の恋人
第6章 山に翻った大漁旗

著者等紹介

畠山重篤[ハタケヤマシゲアツ]
1943年中国上海生まれ。「牡蛎の森を慕う会」代表。京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授。高校卒業後、牡蛎、帆立の養殖に従事する。家業のかたわら「森は海の恋人」を合い言葉に、気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山へ植樹運動を続ける。森は海の恋人運動は各方面で高く評価され、1994年朝日森林文化賞をはじめ、表彰多数。2004年には宮沢賢治イーハトーブ賞、河北文化賞を受賞した。主著に、『日本“汽水”紀行』(文藝春秋/日本エッセイスト・クラブ賞)、『漁師さんの森づくり』(講談社/産経児童出版文化賞JR賞・小学館児童出版文化賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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あちゃくん

67
気仙沼の牡蠣養殖漁師、畠山さんの本。今回南三陸に向かう道中にて読了。三陸の海のこと、山のこと、いろいろ知れて良かった。漁師の生活の描写から始まり、畠山さんが「森は海の恋人」運動を立ち上げるまでの問題意識、経緯がまとめられていて、解説の川勝平太さんが言うように、叙事文学として質が高いと思う。2014/03/21

T2y@

15
“ 森は海を海は森を恋ながら悠久よりの愛紡ぎゆく” 三陸の牡蠣士さんが綴る、その地の豊かな森と海にまつわる短篇物語。 海の食物連鎖を支える植物プランクトン。それを育む森からの豊かな河川水。気仙沼の豊かな海と森と、それらの愛に満ち満ちている。2016/08/07

pugyu

3
牡蠣養殖を生業とする畠山さんの子供の頃の話は民俗学というか、郷土の物語のように感じた。森と海は川で繋がっている。科学であり、教育でもある。川の上流にダムを作ることが、自然の流れを悪い方に変えてしまうんだというのがよくわかった。山を削った土砂をどこに置くのかで災害が起こることはこの夏の大雨で知ったし。リニアのトンネルもどれだけ自然に、自然を生業にする人に影響するんだろう。2021/08/09

ハメ・ドゥースト

2
★★★神谷輝幸先生に勧められて手にした一冊。「森は海の恋人」のフレーズが耳から心から離れない。「森は海を海は森を恋いながら悠久よりの愛紡ぎゆく」(熊谷龍子)から生まれたそのフレーズを合い言葉に植樹運動を続ける畠山重篤氏の歩み。好奇心が強く、心の柔らかい年代に、本物に出逢わせることの重要性を再認識。森と海、それは太古の昔から生命を育む源である。清らかな川で二つが結ばれている限り、永遠に新しい生命を生み続けるだろう。2016/06/04

U4

2
去年、大学に畠山さんが講義をしに来てくれました。その時は感動以外の言葉がなかったです。その時は、生物学的な疑問でも、アプローチを変え化学的な方向から見ると解決につながる、学問は領域を超えて協力し合うことが必要だ、というメッセージが強く印象に残りました。北大の松永先生が化学的に森と海との連環を証明しましたが、それよりも早く自ら森に木を植えようとする姿は素晴らしいです。その後、畠山さんはフォレストヒーローとなったり、今年2月には京都地球環境の殿堂で見事殿堂入りを果たしたりなど業績は素晴らしく、私の目標です。2015/02/17

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