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文春文庫
御開帳綺譚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 189p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167692025
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

21年ぶりのご開帳の準備に追われる僧侶・無状は、「あのお薬師さまは偽物だ」と言われて困惑する。昔、火事から少女が助け出した際に折れたはずの指がある、というのだが。芥川賞作家が記憶の謎、「心」というミステリーに挑む表題作。人工透析で生きる妻の願いと夫の愛を描く「ピュア・スキャット」を併録。

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956(昭和31)年、福島県三春町生まれ。安積高校卒業後、慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。さまざまな仕事を経験した後、京都の天龍寺専門道場に入門。現在は臨済宗妙心寺派、福聚寺副住職。2001年、「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tadashi Tanohata

21
スピリチャルなものを読みたくなると「玄侑宗久」にたどり着く。よくある。芥川賞の「中陰の花」もそうだ。「あの世」と「この世」のあわいに意識を保つ。今回も「微睡む」と言う表現にあわいを見た。人間は弱い存在であり、この世は不確かである。されど、21年ぶりの薬師如来の御開帳に際し・・・、ぜひご自身で御開帳ください。2018/10/28

巨峰

18
21年ぶりに開帳される秘仏薬師如来像。だか、昔、火事があったときに折れてなくなっているはずの指がついている。あれは偽物だと。中篇小説というべき長さだが、その中に何度も輝きを感じる場面がある。人の過去と現在。心を繋ぐものは何か。仏教仏像などわからないなりにもっと丁寧に丁寧に読めばよかった。併録の「ピュア・スキャット」は人工透析で生きる女性とその夫の愛と労わりを描いたこれも傑作と思う。2010/08/02

花々

7
実際にお坊さんである著者だけに、仏像や寺の薀蓄が多く、雑学を取り入れながらもサラっと読了できました。人の記憶の曖昧さって本当にありますよね。そこを巧みに使用して、どこか幻想的な話しの仕上がりになっています。もう一遍の方は、彼女の語り口が好きではなかった。2015/10/20

yukalalami

4
現住職が書かれた本で、前半は淡々ですが後半一気に盛り上がりを見せます。官能的な場面あり。和尚さんー!?みたいな。記憶というものは期間を経て物語に結びついてしまうというのは納得です。併録のピュア・スキャットは人工透析で生きる妻と夫の物語で死を扱いながらも深い愛がありこちらもいい作品でした。2013/04/08

儚俣

3
記憶と言うより認識の問題。中編だからかそこまでドラマチックな展開はなし。2016/12/21

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