内容説明
昨今の哲学ブームに異議を唱える著者が、福田恒存、吉本隆明からオウム真理教まで、有名無名問わずあらゆる人間を一刀両断！人々はソクラテスの何を恐れて彼を殺したのか。養老孟司のいう「脳」とは何か。生きるのは死ぬよりなぜよいのか。難解な哲学用語は使わず、分かり易く人間を読み解いた哲学的辛口批評集。
目次
メタフィジカル・パンチ（ソクラテスさん；宮本顕治さん；福田恒存さん；埴谷雄高さん；吉本隆明さん；養老孟司さん；オウムの皆さん；ニーチェさん；田中美知太郎さん；同世代の皆さん ほか）
『知の技法』は画期的か
小林秀雄への手紙
著者等紹介
池田晶子［イケダアキコ］
１９６０年、東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科卒。哲学用語によらない哲学の文章を開拓する、現代の最も刺激的な哲学者。日常の言葉で哲学を実践し、多くの読者の支持を得る
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感想・レビュー
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mm
32
池田さんが35歳の時に放った、潔く迷いのない、自ら考えた哲学街道まっしぐらの言葉達。読んでるだけで、こちらの迷いもぶった切ってくれるような勢いがありました。書きたいことは沢山！一部紹介。例えば「より良い生活を目指す」と言われたら、考えなしに「諾」と言いそうだが、それはおかしい。より良い生活というものが、良いということがわかっているのか?分からずしてそれを望むなどということがあり得るのか⁇次のネタ。「神は死んでいない。死ねるような神が、神であるわけがない。」もひとつ！「私の死」と言うが、死んだら私は無い。2018/09/29
里愛乍
23
「わかる」ことには解釈すらいらない。そんなものは後付けだ。「ありのままを語ろうとして」文法的には妙な言葉の使い方になる。ああそれはすごく「わかる」。その言葉でなくてはいけないのだ。それが他人に理解されにくい奇天烈な文に見えても。読み解こうなんて思い上がりだ。わかる時の言葉が煌めきのようにするりと入り込んでくるこの感じ。ただこの「わかる」ことを誰にでもわかるように説くことは難しいというか、不可能なんではないかと思っている。また必要性を感じない。彼らを読む自分との関係性はこれでいいと思っている。2019/07/08
小野靖貴
9
タイトル通りの形而上的一撃どころか雨霰の弾丸を浴びた気分。狂気をはたと感じるも、展開論理からは狂人ではない知性が伺われる。良くも悪くもかっ飛ばしてるな、と。哲学は人生（→生活と金銭）の役に立つものではありません！寧ろ深い本質的な苦悩をくれますよ、との親切？なアドバイスも印象に。哲学は前提への不断の『問い』『批評』でしかない、など魅力的な言葉が多数。2014/10/18
k.m.joe
3
池田さんは熱く燃える人だが、コアの部分は透明で、たなびく炎は温かい。2011/12/20
しき
1
「形而上から一撃（おしおき）よ」って、萌えアニメの決めゼリフみたいでいいかも。2013/01/09
