内容説明
忽然と消えた「客」の背後にはもう一人の「逃がし屋」の影が…。跡を追って東京に戻った葛原を迎えたのは、工作員、在団特務、ヤクザ、公安が入り乱れる「戦争」だった。誰が裏切り者で、誰が囮なのか?殺し合いに大義はあるのか?権力をめぐる謀略と死闘が渦巻く中で、はたして「客」は逃げ切れるのか―。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年3月、名古屋市生まれ。慶応義塾大学法学部中退。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞しデビュー。新しいハードボイルドの書き手として注目を集める。その後、『新宿鮫』(90年。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞)、『新宿鮫 無間人形』(93年。直木賞)、『心では重すぎる』(2000年。日本冒険小説協会大賞)、『パンドラ・アイランド』(04年。柴田錬三郎賞)など、ベストセラーを次々と書き続けている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
43
(2013年読了時の感想、上巻とは重複。レビュー投稿100%の為。)日本冒険小説協会大賞受賞作。ジャンルはハードボイルド。名前の無いザコキャラは一杯死んでしまいますが、ページをめくれば忘れられている。そう言うジャンルがお好きでしたら、どうぞ。文句言いましたが十分面白いとは思います。 2013/04/13
Dai(ダイ)
21
上巻で感じた登場人物の魅力の薄さ、物語りの緩慢とも言える進み具合。それに対して下巻の何と言うスピード感、かつキャラの存在感。追うものと追われる側、どちらが正義でどちらが悪か。最後の最後のまで目は離せない。結局正義とは法や国で測れる物ではなくその人物個人の胸にあるものであり、他人がどこまでその人を信じるか、なのであろう。主人公葛原の最後まで冷静で抑えられた魅力は、作者大沢の新たな戦略であったか。続編が出来れば迷わず手にするであろう。2015/04/25
ヨーコ・オクダ
20
上巻でも、逃がし屋のリーダーである葛原の人たらしぶりはジワジワと感じていたけれど、この下巻でもその能力?を発揮。警察庁の河内山なんかが1番ケツ割りそうな感じやったのにすっかり骨抜きされてるし、あれだけ反発していた大出も身体を張って戦ってくれたし。みんな熱くなったところで、ストーリーも急加速。某国の新しい未来を開くため、プラス成滝の復讐を成功させるため、葛原のチームが全力でアシスト。読後、何となく清々しい気分になったのはワタクシだけかしら?2016/10/14
007
16
すごい早い展開でやっぱり所々ついていけなかった。が読みやすい文章なのでサクサク進んだ。面白かったかな。こういうハードボイルドはけっこう好きです。2014/10/16
金沢 衛
9
やっと読めたという感じ。新宿鮫に比べればキャラが薄い。 「逃がし屋」というのは実在する。在団、北朝鮮、ヤクザ、公安。整理して読まないと混乱する。デコイとは囮の事。大義は殺し合いの中には意味すらないはず。 誰が裏切ったのか最後までよくわからなかった。2015/01/19