内容説明
サラリーマンから探偵に転身した仁木順平と助手の美少女・安梨沙が営む小さな探偵事務所には今日も奇妙な事件が持ちこまれる。育児サークルに続く嫌がらせ。猫好き掲示板サイトに相次ぐ、飼猫が殺されたとの書き込み。仁木の息子の恋人につきまとうストーカー。六つの事件の後で、安梨沙が心に決めた決意とは。
著者等紹介
加納朋子[カノウトモコ]
昭和41(1966)年、福岡県北九州市生まれ。文教大学女子短期大学部卒業後、化学メーカーに勤務。平成4年、「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞受賞。平成6年発表の短編「ガラスの麒麟」で、第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。平成7年に退社して作家専業となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
107
ある意味完結してしまっているシリーズの続編を、どうしたら再開できるか、という難題に見事パスした第二集。ついでに日本を舞台に、ミステリにふさわしい探偵業をどうしたら描けるか、という好見本でもある。仁木順平と安梨沙の、それぞれの個人的・家族的事情だけでなく、事務所そのものの設定もからんだ事例が、実によくできている。安梨沙の本当の強さ、順平の二児(成人だけど)の父親らしさが、見事に感じられるのがいい。このシリーズのさらに続きが読みたいけど、それはかなわないのかなあ。2020/03/27
ダイ@2019.11.2~一時休止
101
アリスその2。短編集。ようやくいろんな依頼が来るようになった探偵社。探偵も実力が上がってきたような気がする。いい雰囲気の作品なのに続編は出ないのか?。2014/09/18
tengen
74
「螺旋階段のアリス」の続編。脱サラで探偵事務所を開いた仁木順平と押しかけ助手兼お茶くみの市村安梨沙が手掛けるちっちゃな事件たち。探偵ものでも日常ミステリー得意の加納さんが手掛けるとこんな感じ。ただ、ほんわか知的な安梨沙ちゃんがただののんびり御嬢さんでなくて少し不安定なのが垣間見えます。さて今後も続くのでしょうか。虹の家のアリス/牢の家のアリス/猫の家のアリス/幻の家のアリス/鏡の家のアリス/夢の家のアリス2015/10/05
hirune
71
最初は安梨沙に頼りっぱなしだった仁木探偵もこの巻ではだいぶ探偵らしいお仕事ができるようになりましたね。推理は仁木に任せて安梨沙は依頼者を紹介したりちょっとしたヒントを出したりとアシストに徹しているような、なんか育てられてるなって感じがする^^;しかし英一郎かぁ、私は好みじゃないけど、安梨沙のような賢すぎる女性には単純な男の方が御しやすいのかもね?仁木を探偵として育てたように、英一郎も旦那として育てるのかな。。家に帰ってワンマン親父も手玉にとるかも…成長した安梨沙、恐るべし(;^_^A2016/08/27
はらぺこ
63
『鏡の家のアリス』は読んでて一番イライラするしハラハラドキドキする内容でした。多分、安梨沙の登場シーンが少なかったからやと思う。 「螺旋階段」「虹の家」の計2冊、気分が悪くなる事件も中には有ったけど、全体的には暖かくなる作品が多かった。表題作の『虹の家のアリス』だけでも読む価値は有ると思う。2010/09/13