出版社内容情報
小泉今日子主演で映画化。
京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも本当はみんなが秘密を持っていて……普通の家族の光と影を描いた連作家族小説
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
422
それぞれの秘密を必死に守り続ける家族の面々。でも外から見ると、そんな彼らの努力が如何に空虚で簡単に壊れてしまうものであるかがよくわかります。そんな今にも空中分解寸前の家族の情景が描かれるこの作品。そして、その書名を「空中庭園」と名づけた角田さんの絶妙な命名センスの説得力。一見平和そうに見えても蓋を開ければ、あれやこれやと、もうどんなものが飛び出してくるかは誰にもわからない。それを分かった上で、誰も開けようとはしない家族の面々。さて、あなたは、家族に対して一切隠しごとをしていないと言い切る自信がありますか?2021/04/27
HIRO1970
382
⭐️⭐️⭐️⭐️角田さん3冊目。ハズレ無しが続いており実力派ですね。地方都市の郊外に住む四人家族と親戚及び愛人の6名が主役格で登場し、それぞれの視点から6編の短編になっています。10代から70代までの年代と性別の異なる6名を見事に描きわけ、まるで違和感なく時系列まで破綻しないだけでも十分唸らされますが、特筆すべきは表面上の明るくフランクでオープンな隠し事が無い家族関係とそれぞれの視点から見えてくる秘密の闇の深さのコントラスト。普段のロールプレイと実際の心情ギャップが暴かれます。まるでミステリー小説みたい。2016/07/30
kaizen@名古屋de朝活読書会
313
一つの家族を中心に、その構成要員、関係者の視点の短編を集めたもの。 なにもかも開けっぴろげというのは大人の嘘だというのは容易に想像ができる。どんな嘘かは推理小説のよう。解説者の見解と2つの点で一致するところがあった。直木賞候補にあがっていたが、直木賞をあげればよかったという点。もう一つは必読だという点。ただし理由は2つとも解説者と違う。家族というものの本質を突き、家族の大切さを感じさせるから。家族以外から見たら、すごく不自然でも家族の中では自然なこともあるかも。解説:石田衣良2013/06/24
おしゃべりメガネ
245
角田さん作品は『さがしもの』以来、なんと4年ぶりで過去既読作品は『対岸の彼女』『八日目の蝉』と決して多くはありませんが、それでも独自な世界観、作風の作家さんなのは十分に伝わります。本作も角田さんにしか書けない静かながらもキレがあり、ダークかつダーティな文章が綴られています。ある家族のそれぞれの視点からとらえたごく普通と思われる‘日常’をたんたんと語られる展開です。しかし、それぞれがクセものというか個性派というか、とにかくどのキャラも独自のインパクトがあります。しかし、最後まで母親のキャラはNGでした。2015/04/20
団塊シニア
181
6人の視点から描かれた連作家族小説、それぞれ秘密を抱え危うい家族、しかし普通の家族を学芸会のように演じる家族、それぞれの語り手によって秘密の暗さ、重さが明らかになる、すぐれた文章は出来事や情景が目に浮かぶというが、角田作品こそまさにそうである、心の闇をあぶりだす手法は見事である2013/09/20