内容説明
失恋、若ハゲ、痔、子役。辛いのに公には辛がれない、それが「ぬるーい地獄」。ぬるくたって地獄は地獄、だからお願い今夜は辛がらせて…。ヌルジゴの住人たちに、自らもヌルジゴを彷徨った鬼才・松尾スズキがインタビュー。切なくて哀しくて、やがてじんわりおもしろい“平成地獄めぐり”待望の文庫化
目次
特殊業界の地獄(子役;昆布漁)
経験値としての地獄(いじめ;失恋)
プロが見た地獄(メディカルアート)
身体レベルの地獄(痔;若ハゲ)
文庫版特別収録(付き人)
著者等紹介
松尾スズキ[マツオスズキ]
1962年福岡県生まれ。サラリーマン、イラストレーターなどを経て、1988年劇団「大人計画」を設立、作・演出・俳優をつとめる。1997年「ファンキー!宇宙は見える所までしかない」で第41回岸田戯曲賞受賞。小説、エッセイなど文筆業でもその特異な才能を発揮し、注目を集めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chie
15
20年程前に出版された本。今はぬる地獄の温度も上がっていそう… ぬるくても地獄は地獄なんだけど2022/08/15
春風のぼる
9
サラッと読めて楽しめました。地獄ほどひどくないぬるーい地獄を過ごす方たちとの対談形式。ところどころでクスリとしたけど、若干気になる書き方が。考えすぎと言われればそれまでだけど。2016/09/17
sawa
6
★★☆☆☆ 子役の地獄、昆布漁という超過酷労働の地獄なんかは軽く読めて楽しかった。体の一部が欠損した人のためのパーツを作っている技術者の話は重い。指を詰めたヤクザが、親類の結婚式に出るために義指を作るとかならまだ笑えるが、病気や事故でそうなった人が、どんな気持ちでそれを求めるか考えると…。痔の話もめちゃくちゃ辛そうで、なったらどうしようと恐怖し楽しめなかった。期待ハズレの本だった。逆に、挿絵が久住昌之だったのはよかった。(図)2012/03/08
ゆき
4
ぬるい。食事中に読むことをオススメしない。ぼくはそれをして、吹いて、米粒が食卓に散乱して、ぬる〜い地獄を味わった。2010/11/15
ねこ
3
インタビューというより対談って感じの形式です。2016/12/29