内容説明
材木商伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れる、深川芸者のお文。一方、本業の髪結いの傍ら同心の小者を務める伊三次は、頻発する幼女殺しに忙殺され、二人の心の隙間は広がってゆく…。別れ、裏切り、友の死、そして仇討ち。世の中の道理では割り切れない人の痛みを描く人気シリーズ、波瀾の第二弾。
著者等紹介
宇江佐真理[ウエザマリ]
昭和24(1949)年北海道函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。函館在住。平成7年「幻の声」でオール読物新人賞を受賞、デビュー。『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』及び、『雷桜』は直木賞候補となる。『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、『余寒の雪』で中山義秀文学賞受賞
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時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
185
今回は2巻目にして中身が濃い!!別れあり、免罪あり。頑固で意地っ張りな人間味溢れる伊佐次の落とし所をどうするのかやきもきしながら読んでました。2016/09/24
小梅
137
色々と切なかった。やっぱり文吉は良い女だなぁ〜 今後がまた楽しみです。2015/11/15
ぶち
132
1巻目を読んで、いっぺんに好きになったシリーズ。 ところが、シリーズ2巻目にしてこの波乱の展開には、ビックリです。作者さん、やるなぁ....読者をまったく飽きさせません。別れ、冤罪、裏切り、友の死、仇討.....こんなにも波乱に富んだ短編が次から次へと押し寄せて、あっという間に読了です。大人な読者をも充分に満足させる人情と江戸の風情にあふれた時代小説。次も行きますよー!2021/02/14
遥かなる想い
116
深川芸者お文と 髪結い伊三次の物語である。 深川に生きるこの時代の情緒溢れる 男女の心の交流が奥ゆかしく なぜか懐かしい。 捕物帳というよりも、人情譚の 色合いが強い…昔ながらの男女の心の機微を 細やかに描いた短編集だった。2024/02/04
はにこ
109
ちょっと読むつもりが止められなくて読んでしまった。伊三次に次々降りかかる災難。恋人が離れ、友人が亡くなり、仕事までも。。本の半ばまで不幸続きで読むのが辛かったけど、この不幸の落とし前をどうつけてくれるのかが気になって止められない。全ての不幸をひっくり返す展開ではなかったけど、少しずつ好転していってホッとした。まだまだ追っていきたいシリーズ。2020/11/16