文春文庫<br> ダナエ

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文春文庫
ダナエ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167614058
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女で、「これは予行演習だ」と告げる。宇佐美の妻は、娘を前夫のもとに残していた。彼女が犯人なのか―。著者の代表作といえる傑作中篇など全3篇収録。

著者等紹介

藤原伊織[フジワライオリ]
昭和23(1948)年、大阪府生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。大手広告代理店に勤務の傍ら、執筆活動を始める。昭和60年に「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。平成7年、『テロリストのパラソル』で江戸川乱歩賞、翌年には同作品で直木賞受賞。平成19年5月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

210
あああ、イオリン、カッコええなぁ。なんつーかこう、昭和のオトコなんよね。酒、仕事、芸術、そしてそんな中に見え隠れする女性の存在。つくづく、頭のいい(仕事のデキる)オトコはかっこいい。イオリンの未読作品、あといくつあるんだろ・・・って思いながら読了。2016/03/31

yoshida

148
藤原伊織さんは初読みの作家さんです。本作は晩年の作品とのこと。淡々とした語り口と静謐な文章。哀しみと諦感が滲み出てくるようです。個人的にはもう少し躍動感のある作品が好みでした。この作品で藤原伊織さんを卒業せずに、もう一冊読んでみたいと思います。書かれた時期により印象も変わることでしょう。2018/01/28

おしゃべりメガネ

146
すっかり'イオリン'モードの勢いがおさまらず、ボリュームは少ないながらもガッチリとした'オトコ'くさいハードボイルド短篇集を堪能させてもらいました。やっぱり藤原さんのえがく'オッサン'は本当に魅力的で、とにかくシブさが際立ってます。頑固といえば頑固なのですが、かといって融通がきかないワケでもなく、生きざまもブレない。そんな'オッサン'達が生き生きとリアルに描写されています。特に男前なルックスではないのかもしれませんが、どの人物も描写されている雰囲気がとてもセクシーで、こんな'オッサン'達に憧れますね。2017/12/24

KAZOO

119
藤原さんの再読もあと数冊を残すだけになりました。この本には短編が3つ収められていますが、私は表題作が印象に残りました。萩原朔太郎の詩やレンブラントの絵、あるいは昔はよくあった貧乏画家の時代など、映画を見ているような気がしました。私はこの作品を読むと最後に涙が出てきてしまうのです。いい作品です。2018/01/15

chimako

94
上品な大人の「ミステリー」……なのでしょうか?謎解きはあるけれどその色合いは決して濃く感じない。肝の座った男たちを描いた短編集。「ダナエ」は既読。結末は分かっているのに読ませる筆力。「実は父娘だった」とか、「知らなかったために関係を持ってしまった」とか使い古された手法が、古さ故に雰囲気を作っている様に感じる。次はハードボイルド 読んでみようかな。2017/08/14

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