文春文庫
東京駅物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167576073
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

開業時の姿に復元されつつある東京駅。明治の建設当時から昭和の激動期まで、この駅で繰り広げられた人間模様を描いた傑作小説。

内容説明

東京駅の建設現場で働く若者、ステーションホテルを拠点にする結婚詐欺師、歌人を目指して上京した娘…。それぞれの時代の夢が行き交う煉瓦の駅舎・東京駅。明治の建設当時から昭和の終戦直後に至るまで駅が紡いできた年月と、そこで交錯した人生を「グランドホテル形式」で丹念に描く、男と女の九つの物語。

著者等紹介

北原亞以子[キタハラアイコ]
東京都出身。コピーライターなどを経て、昭和44年「ママは知らなかったのよ」で第1回新潮新人賞を受賞し作家としてデビュー。平成元年『深川澪通り木戸番小屋』で第17回泉鏡花文学賞、5年『恋忘れ草』で第109回直木賞、9年『江戸風狂伝』で第36回女流文学賞、17年『夜の明けるまで』で第39回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

88
首都東京の玄関口東京駅。明治、大正、昭和、三つの時代に渡って東京駅を舞台にし、グランドホテル形式で綴られる9つの物語。そこで働く人、旅をする人、日常の足として利用する人、様々な物語がそこで生まれ、消えていく。いったいどれほど多くの人々がそこで出会い、別れ、通り過ぎていくのか。色んな物語を楽しめた一方で、もう少し一本芯になるものがあった方が良かったのではないかと思った。★★★2018/11/06

まこみん

85
少し前に読んだ辻村さんの「東京會舘とわたし」を思い出した。(1996年に単行本発行とあるのでこちらの方が古い。)東京駅建設当時の明治35年~関東大震災を経て昭和の終戦直後迄、その時々を生きた人たちが少しずつ交差しながら巡っていく。新しい時代への夢を持った男、駅を造りたい女、歌人に憧れた少女、結婚詐欺師や挫折した男等、東京駅という一つの場を様々な人と人生が行き交う。東京駅と一口に言っても高級感溢れるステーションホテルから三等待合室迄幅広い。読後は現在の復興した東京駅に、又新たな思いで行きたくなった。2017/07/11

アッシュ姉

75
明治の建設当時から戦後まで東京駅を舞台に繰り広げられた人間模様を描いた連作短編集。てっきり感動ものだと思い込んでいたので、イメージの違いに戸惑った。時代背景もあるが、なんともやるせない。流されやすいお人好しが多かったなか、詐欺師のしたたかさが印象的だった。2020/08/11

はつばあば

61
6年前、独身最後だった娘と待ち合わせた東京駅は工事中だった。去年の東京駅はとても素晴らしかったが、車椅子移動の爺様を置いて土産物買いはあたふたしたものでした。100年も前からある東京駅。人の出会いと別れをいっぱい、いっぱい見続けてきた東京駅は今また綺麗になったが・・何を思っているでしょうね。2016/04/12

shizuka

57
東京建設直前の明治時代から終戦直後まで、東京駅を行き交う男女に焦点をあてた物語。時代は遡らずしっかりと順に流れて行き、東京駅やその周辺の変化、発展がしっかりと描写されている。文字を追って読んでいるだけなのに、東京駅を中心とした日本の成長がありありと眼に浮かぶ。当初は東京〜保土ヶ谷は2時間かかったらしい。保土ヶ谷から決死の思いで東京をめざした女性が、夢破れ三等待合室で田舎に戻ろうかどうか悩む場面には驚いた。保土ヶ谷!すぐそこ!みたいな。結婚詐欺師が30代からよぼよぼの爺さんになるまで登場しているのはご愛嬌。2016/11/11

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