出版社内容情報
「いく」って何なの? 小説とセックスの関係とは? コトバとブンガクを徹底的に笑いのめすエイミの抱腹絶倒クリティーク小説集
内容説明
知性とセックスは両立するのか?ブンタイって一体何なんだろう?なぜ女は「いく」「死ぬ」なんて口走るのか?奔放きわまる文章と、繊細緻密な思考によって日本語と日本ブンガクの現状を笑いのめす。はたして小説は肉体の快楽にどこまで迫れるか。深遠かつ軽妙、そして抱腹絶倒のクリティーク小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
202
文体はエッセイのようでもあり、ある種の批評のようでもあり、はたまたこれは小説なのだといわれれば、そのようでもある。裏カヴァーの紹介文では、これを「クリティーク小説」と名付けているが、まあそのようなもの。巻頭の「快楽の動詞」は、いわば理論篇。女性がエクスタシーを伝える時の「いく」と「死ぬ」の分析的考察。ちなみに、澁澤龍彦訳の『O嬢の物語』などでは、これを「気をやる」と表現しているのだが。そして、応用問題篇が、後段の「ベッドの創作」。ポルノグラフィー考である。そして、抱腹絶倒篇として「逆説がお好み」がある。2014/07/02
青蓮
85
読友さんの感想より。「果たして小説は肉体の快楽にどこまで迫れるのか」をテーマに考察した本で、エッセイと小説の中間にあるような作品。かなり興味深く読みました。「エクスタシーの状態を動詞を使わずに表現しようとすると、それに該当する言葉はなく、人間の言葉に近くすればする程、滑稽になっていく」言われてみれば確かにそうだなと妙に納得。ポルノ小説を除けば「性」を扱った作品が観念的、文学的な色を帯びるのはそこに起因しているのかもしれない。「非定形の肯定」も日本語ならではの不思議な現象だと感じた。「不治の快楽」にはニヤリ2016/12/09
優希
53
セクシャル色の強い作品ですね。エッセイかと思えば小説という不思議な文体が印象的です。小説で肉体の快楽にどこまで迫れるかを実験的に書いているので相当性的な作品になっていると思います。書いていることは卑猥なのに表現が下品にならないギャップが面白い作品ですね。2014/10/04
団塊シニア
48
小説は肉体の快楽にどこまで迫れるか…。過激でスピード感があり描写を大切にしてる文体が心地よく一気に読める作品です。「駄洒落の功罪」「ベッドの創作」がお薦めです。2013/10/01
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
42
☆5.0 本来他人に晒すことのない自己を文章という道具を借りさあどうだと声を張るそれが作家である。この書は作家たる山田が己の文学性を自身が掌る言語を介して論破する。山田詠美による山田詠美のための山田詠美論なのだ。2020/11/14