内容説明
漆黒の車が闇を裂く。それを駆る不良少年ブライアンの脳中で自殺した友人の声が囁く。あの女をぶち殺せ、おれを警察に売ったあの女を。暴力による痛手を癒すべく静養する夫婦に冷酷非道な少年たちが迫る。極限の暴力と恐怖が爆発、アメリカの病巣を鋭利に抉り出す現代パルプ・ノワールの傑作。馳星周、Ｄ・クーンツ強力推薦。
著者等紹介
ランズデール，ジョー・Ｒ．［ランズデール，ジョーＲ．］［Ｌａｎｓｄａｌｅ，Ｊｏｅ Ｒ．］
１９５１年、テキサス州生れ。さまざまな職を経たのち、作家活動を開始。ホラー界でまず認められ、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞などを受賞。２００１年には長篇「ボトムズ」でアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞するなど、ミステリの分野でも注目を集めている
佐々田雅子［ササダマサコ］
１９４７（昭和２２）年生れ。立教大学英米文学科卒業。翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
訃報
4
章立てが単に話の区切りではなく、一つの表現となっている。ブローティガンや春樹のように。最後でBLになった。その面をもっと押し出してくれてもよかった。2015/03/07
The-Q
4
ちょっとした超常現象があるけれどノワールといっていいと思う。いきなり胸糞悪い展開でうーんって思うけどなぜか一気読みしてしまった。何人かの人物に視点がばしばし飛ぶ劇的独白を使って緊張感高めてるのが要因だろう。老若男女関係なく死んでいくのはいいものだ。はらはらする2013/02/16
harass
4
積読消化。ネット通販で買ったのだがなぜこれを選んだのか思い出せない。ノワールものだと思っていたがホラー要素が強い。タランティーノの映画であるどうでもいい下品でえげつない会話とシーンを思わせる部分が面白い。アクが強さと自分の頭の中で膨れっぱなしだった疑問点を飼い慣らして読み終えた。勢いのある荒々しい作品だった。2012/09/15
てまり
2
再読。中心にどうしても表現したい、しかし言葉にならないものがあって、その周りであがいている小説。悪についての容赦ない描写が印象的なのだが、それに対抗する人々の勇気も胸を打つね。ここらへんもランズデールの人格の中のブレや葛藤がすべて出たかんじ。プードルえらい。2021/07/06
ノコギリマン
2
友人から借りた本。今朝から読みはじめ、いま読み終わり、どっと疲れた。血と内臓を撒き散らしながら闇夜を疾走するテキサス•ナイト•ランナーズの狂気、ヤバイ。最後はまんま『わらの犬』になるんだけど、対峙しているヤツが完全なモンスターに化しちゃってるあたり、さすがランズデールですね、ぶっ飛んでる。ケッチャムの『黒い夏』に通ずる黒い清々しさがありました。ケッチャムにしろ、ランズデールにしろ、この人たちの作品には根底に“愛”が溢れているから、読み終わってから、なぜかホッとする。東野圭吾が好きな人にはぜひぜひオススメの2014/06/04
