出版社内容情報
四肢を杭に縛られた美人大尉の全裸絞殺体。明らかにされる父将軍との葛藤と異様な性の遍歴。上官逮捕の権限を持つ捜査官の苦渋は
内容説明
事件の萌芽は、全裸で絞め殺された将軍の娘で陸軍のホープ、新兵募集のポスターのモデルでもあったアン大尉のウェストポイント士官学校時代の一つの出来事に起因しているのが明らかにされてくる。しかし、陸軍犯罪捜査官ブレナー准尉には陰湿な圧力がかかりはじめた。著者ならではの軍人たちの特殊密室社会を描いて面目躍如。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@80.7
53
再読了。哀しきキャンベル大尉を誰も救えなかった。将軍が娘より軍を優先してしまった悲劇。数日間の濃密な捜査は軍内部だからこそだろうけど、捜査官ブレナーとシンシアの距離が縮まってくる展開も含めて最後まで読ませる。ラストの爽やかさに救われる。デミル面白い。2022/04/12
Tetchy
6
最後の結着のつけ方はデミルが最後に米軍に対して行う慈悲なのか、それとも彼自身、軍を最後まで貶めることが出来ない制約を課しているのか、もしくは呪縛があるのかは判らないが、これが不服である。しかしこれほどの人物を登場させ、その全てに区別がついたというのはすさまじい。デミルの今まで読んだ作品で人物が混同したことがない。今、私は極上の作家に出逢っている、そんな感慨が沸沸と湧き上がってくるのである。2009/08/24
goro@80.7
4
陸軍犯罪捜査部なんて組織が必要な巨大なんだね。減らず口のブレナーが良いね。2013/09/14
kaikoma
3
上巻で提示された謎が下巻で解明されていく訳ですが、ストーリーとしては読み易いです。どちらかと言えば陰惨な描写や動機付けが、主人公によって和らげられます。軍隊という日本では無い舞台設定でしたが、それはそれで馴染めます。2010/10/25
まさ
2
怒涛の勢いの下巻、これは面白い。 謎解きと心理的な会話。 軍隊の中での屈辱。それにタイムリミット、これだけの要素を巧みにコントロールしてすすむ。それに恋愛も。2021/06/17