文春文庫<br> 永井荷風の昭和

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文春文庫
永井荷風の昭和

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167483098
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

なぜ荷風は夏の玉の井を敬遠したのか?『断腸亭日乗』をはじめ、多様なテキストを片手に懐かしき東京の下町へタイム・トリップ

内容説明

戦争へと急傾斜してゆく昭和前期、20年間の日本―荷風の視線はひくく市井を這い、時に上空を見上げ、驚くべき適確さで世界の不穏な風を読む。『断腸亭日乗』を主要テキストに、時代風景のなかに文豪の日常をくっきりと描写し、世俗の事件と歴史の命運とをあわせ読む「歴史探偵の手法」を確立した会心の著作。

目次

序章 一筋縄ではいかぬ人
第1章 この憐れむべき狂愚の世―昭和三年~七年
第2章 女は慎むべし慎むべし
第3章 「非常時」の声のみ高く―昭和八年~十年
第4章 ああ、なつかしの〓東の町
第5章 大日本帝国となった年―昭和十一年
第6章 浅草―群衆のなかの哀愁
第7章 軍歌と万歳と旗の波と―昭和十二年~十四年
第8章 文学的な話題のなかから
第9章 「八紘一宇」の名のもとに―昭和十五年~十六年
第10章 月すみだ川の秋暮れて
第11章 “すべて狂気”の中の正気―昭和十六年~二十年
終章 どこまでもつづく「正午浅草」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

17
『断腸亭日乗』をベースに荷風とともに昭和の風俗、激動の歴史を振り返る。著者は荷風が小説に取り上げた玉の井(『墨東奇譚』)近くに生まれ育ち、地元愛に重ねて荷風に接しているようだが、文章全体から荷風との距離感をつかみかねるのは、ちょっとざっくばらんな文体からだろうか? 「断腸亭日乗』自体は、そのままではなかなか読むのが難しいそうであるが、著者自身の経験と重ねての解説があり、歴史的事件との関係を紐づけてくれる事で、理解が進む。章扉のイラストは著者らしいが、荷風と自身の兄弟みたいなその風貌の特徴をよく捉えている。2023/08/05

べんてん。

0
永井荷風の日記「断腸亭日乗」の記載をもとに日常と昭和の大状況を読み解く一冊。とっかかりは悪いが、読み進むほどについついページをめくらされてしまう面白さ。歴史を別の一面から切り取って見せてくれる著者に感謝したい。2011/05/30

じろう

0
荷風も面白いが半藤さんの筆致も面白い。2018/08/18

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